スオミの森の陰から
フィンランドの湖畔に移住した(?)日本人家族の日常や現地事情を書いています。
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男女格差問題
先週、世界経済フォーラムの調査による男女の社会的格差のランキングが発表され(⇒Yahoo!ニュース等)、日本が79位だったのに対し上位は北欧諸国が占め、フィンランドは3位だったというニュースがあった。

フィンランド国内ではこのニュースを目にすることはなかったのだが、古くから男女同権を謳ってきた国であり、男女格差の少ないことでトップレベルなのはまあ当然と思えた。ところが26日付のAamulehti紙Helsinginsanomat紙には意外なニュースが載った。大学など高等教育において、女子は男子より希望学科へ進学しにくくなっているというのである。

この調査結果がフィンランド人にとっても意外だったのは、一般に高校までは女子の方がコツコツと勉強し、男子より成績がよく、また大学でも女子の割合は上昇し続けているという事実があるからだ。ではなぜフィンランドでこういう現象が起こっているかというと、女子が目指す分野である人文・社会科学系、保健・保育系などは男子が主に目指す技術系分野に比べ定員が少なく、結果的に競争率が高くなっているという理由なのだそうだ。

それというのもフィンランドは、EUの中でも分野ごとの男女の分化の傾向が強い。結果として、学科も職業も分野により男女がかなり分かれてしまっているのである。確かに回りを見回しても、例えば技術職は意外なほど男性中心になっているし、事務職や販売、保健関係、教育関係は女性が多い。こういった分化はフィンランドの文化に根ざしていると記事では言っている。

あらためて世界経済フォーラムのプレスリリースを見てみる。記事には上位国しか表示されていないが、リンクされているExcelシートをダウンロードすると表全体を見ることができる。

この表を見ると、総合ランキングと各分野のランキングの間にずいぶん大きなギャップがあるのが判る。例えば総合1位のスウェーデンは健康分野では70位なのだ。フィンランドの教育はというと、17位だからまあ悪い方ではない。その他経済分野で8位、政治分野で3位、健康分野で1位だから割とバランスよく上位につけているともいえるだろう。というか1位のスウェーデンに劣るのは政治分野だけなのだ。その政治分野にしても大統領が女性、国会議員も大臣も3分の1以上が女性だからそんなに悪くないのではないか。いや、スウェーデンに敵愾心を持っているわけではないのだが…。北欧諸国は総合ランキングでは軒並み上位だが、健康分野ではフィンランド以外はみな相当下位というのも不思議なものだ。

話がそれてきたが、こんなふうに男女格差の少ないフィンランドでも、結果として大学進学では女子が不利になっているという現象が起こっているというわけである。フィンランドでは男女の給与レベルの格差問題も長いこと議論になっている。しかし逆にいえば、性別にかかわらず同じ学習機会やキャリアを持てて当然という考え方があってこそ、問題がクローズアップされているようにも思う。日本の方は、調査で下位だったから言うわけではないが、何かにつけてまだまだ男女は元々違う人生を歩むという前提の考え方が強いように感じる。


テーマ:北欧 - ジャンル:海外情報

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