スオミの森の陰から
フィンランドの湖畔に移住した(?)日本人家族の日常や現地事情を書いています。
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語彙力と2言語習得
辞書について書いたついでに、息子自身の語彙の発達について書いておこうと思う。

息子は小学校2年で日本を離れたので、5年経った今、日本語の抽象的な語彙の発達の遅れが気になってきている。

たとえば教科書に出てきた「経済」という語の意味が分からなかったようなので、ちょっと驚き解説していたら「ああ、ケイザイのこと!」と気づいたようだった。耳から入る「ケイザイ」は聞き覚えがあるらしい。フィンランド語で Talous のことだと説明したら納得したようだったが、どうやら「ケイザイ」と「Talous」はばらばらに脳の中にあり、漢字で新しく入ってきた「経済」を結びつけるのは思うほど簡単ではないらしい。

また日本史の安土桃山時代でルターが出てきたとき、「ルターは去年のフィンランドの歴史の時間で習っただろ」と言ってもまるで思い出せないようでがっかりしたのだが、よくよく話してみると「ああ!Lutherのこと?」と思いっきりフィンランド語発音で言ってくれた。「ルター」と「Luther」はまったく別な発音として頭の中にあるようで、これらが同一人物で当たり前、と思ってしまうのは大人の勝手な発想なのかもしれない。

新しい言葉を覚えたとき、それがフィンランド語であれば日本語で何ていうのだろうとか、日本語であればフィンランド語で何だろうとかはあまり考えないらしい。その言語だけで理解するのは、育ちながらバイリンガルになっていく子供の利点でもあるのだろうけれども。

日常生活や友達との付き合いに関しては問題ないバイリンガルになってきているが、話し言葉ではあまり使わないような抽象的語彙はどうしても吸収が遅れるし、興味も持てないだろうから、聞いたことがあっても定着しにくい。

日本語の抽象的な言葉を説明するのにも、フィンランド語の対応する言葉を教えることが次第に多くなってきている。といってフィンランド語の語彙も、同年代の子供と同程度なわけではない。

大人としての、また学習や仕事に足りる言語表現の習得がどちらの言語でも不十分になってしまう、いわゆるセミリンガル状態になるのが一番心配なわけだが、まだ完全にどちらを主にするというところまでは決められないでいる。両方で相当程度まで習得してもらえればと思うのだけれども、欲張って両方で中途半端になっても困る。

息子の母語はいまだ日本語であることは間違いないと思うが、作業言語というか学習言語は、しだいにフィンランド語になりつつある気がする。


テーマ:日本語教育/異文化コミュニケーション - ジャンル:学校・教育

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