スオミの森の陰から
フィンランドの湖畔に移住した(?)日本人家族の日常や現地事情を書いています。
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課題の添削から
息子は日本の教科である国語、数学、理科、社会の海外子女向け通信教育を受けている。この通信教育では日常の課題を終わらせた後、毎月それぞれの教科で問題に解答して提出し、添削してもらうことになっている。

9月分の解答の添削が先日返送されてきた。

いつも丁寧で詳しい添削には感謝しているが、特に今回の国語は印象深かった。

課題は米倉斉加年著の『大人になれなかった弟たちに…』という作品が対象なのだが、これは戦争中に弟を栄養失調で亡くしてしまう著者の話で、弟の遺体を用意されていた棺に入れるときに成長に気づいた母が初めて涙を流すというシーンがある。

このときの母の心情に○×をつける問題があり、設問の中に「ミルクも満足にやれなかったのに成長していたことを知った喜び」と「精一杯ここまで育てられたことに対する満足感」というものがあった。

子を栄養失調で失った母の心情に対して「喜び」と「満足感」であるから、設問を見ただけで×と、まあ大人には判るのだが息子は○をつけていた。私は提出時にそれに気づいてはいたが、どう指導されるのだろうとちょっと興味もあった。

で、添削された回答では、その問題のでの説明に加えて、「先生から」というコメント欄に10行にわたって切々と母親の心情についての説明がされていた。さらに表紙の通信欄の書き込みで、この先生は戦争体験はないけれど子を持つ母で、特にこの心情を解って欲しいと考えているようであった。息子の解答がショックだったかもしれない。すみません、先生。

それを見た息子自身はというと、書いてある内容は理解したようだがそれほどの心情の理解に至ったかどうか。


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子供の虫歯
今日10月28日付のAamulehti紙によると、フィンランドの子供の虫歯が20年前より増えているそうだ。たとえば90年生まれの子供の歯は85年生まれより悪く、最も良かったのは75~80年生まれだという。

砂糖税の廃止によって砂糖消費量が増えたことと関係するらしい。

砂糖税なんてものがあったのか。検索して調べたら、どうやらこの税の廃止は1995年のことのようだ。この年は、消費税が22%だったのが食料品については17%に下げられた年でもある。2000年には菓子税もなくなったらしい。菓子税という税金もあったとは。

実際、息子の友人なんかが家に来てもすごい量の炭酸飲料やお菓子を食べ、果物などはあまり好まないようで、ひとごとながら心配だ。とはいっても、いかにも歯の悪そうな子供はあまり見ないのだが…。

フィンランドは、少なくとも少し前までは子供の虫歯が世界一少なくて虫歯予防先進国などと呼ばれていたと思う。しかし近年、子供の歯の状態が悪化しているとよく聞く。虫歯に気をつけて育てられた世代が親になって、自分に虫歯がないから虫歯の恐ろしさを知らずに子供の虫歯を気にせずに育ててしまうという現象が起こっているらしい。

フィンランドといえばキシリトール。息子の学校でも給食後にキシリトールのタブレットが配られていて、先日も半年分だったかの4ユーロを払ったところだ。しかしやはり歯の手入れやお菓子の量に気をつけないと虫歯は増えてしまうのだろう。


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L と R
息子がノートに reirikoulu と書いている。正しくは leirikoulu、先日行った修学旅行(⇒10月12日の記事)の「キャンプ学校」のことだ。

フィンランド語はLとRを区別し、lauta(板)と rauta(鉄)のようにLかRかで全く意味が変わる。Rはいわゆるべらんめえ調の巻き舌、スペイン語やスウェーデン語のRに近い。ちなみに r と rr、l と ll も発音として区別する。私自身は一応LとRを別に発音するしはっきりした発音なら聞いて区別できるが、速いスピードの会話に出てきたら区別する自信はない。妻にいたってはLとRの区別はなく、つまり自分の頭のなかにはラ行音しかないと断言している。綴りの違いは単語で覚えているだけらしい。

息子は8才でフィンランド語を始めた(実はそれは2回目。経緯については⇒9月10日の記事)。よく聞くのは、6才以降ではネイティブのようにLとRを区別することはできなくなるという話だ。

だから息子はLとRの区別を習得できる年齢を、ちょっと過ぎていたかもしれない。

で最初に戻るが、件の単語を指して「これ、読んでごらん」と言ってみた。息子、「レ…(読めない)、あ、間違ってるね」と言って直した。書くとき間違ったり目で見て気づかなくても発音してみると判るらしいが、こういう感覚は私にはない。むしろ目で見た方が間違いに気づくのだが。してみると息子は音として区別しているのかもしれない。

息子は生まれてから4才までフィンランドに住んでいた。小さいころは家庭内で日本語だけだったが、外に出るようになってフィンランド語を覚え、一時期は日本語のラ行が全てフィンランド語のRになってしまった。日本語としてはかなり違和感のある発音だが、あまりいろいろ言うとかえってよくないかなと思って静観していた。そうこうするうちに日本に引越し、あっという間にフィンランド語を忘れると同時に日本語の発音も自然になった。フィンランドに戻ってきてからは日本語のラ行音に影響せずにLとRを習得したようだ。つまりこんな変遷をたどったことになる。

ラ行音のみ

LとR

ラ行音のみ

ラ行音とLとR

小さいときに習得したことは、2度目に始めたとき全く記憶に残っていなかった。どこか深層に残っていて習得しやすくなったのか、それもとゼロから始めるのと全く同じだったかは本人にもわれわれ親にも判らない。実際のところどうなのだろうか。


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古典と歴史と
日本の国語は今、「古典に親しむ」という単元で、いろは歌から始まり『竹取物語』に入っている。古文とその現代語訳や解説を勉強する。

  今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を
  取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきのみや
  つことなむいひける。
  その竹の中に、もと光るたけなむ一筋ありける。…
  (光村・中1国語より)

おなじみの冒頭だが、現代文でさえ同学年の日本語を自由に読みこなせるわけではない息子に、これはなかなかきついと思う。幸い通信教育の教材として朗読CDがあって、読み方のお手本にはなるのだが。

運悪く、というべきか日本の社会はいま鎌倉時代だし、現地校の期限授業(「期限授業」については⇒9月13日の記事)は歴史でエジプト時代だ。フィンランドの教科と日本の教科で、互いに役立たないことずくめなのだ。数学や理科、英語はもちろん、社会であっても地図の読み方などは共通性もあるし、以前日本の教科で学んだことがフィンランドの教科で役に立つこともあればその逆もあるのだが、竹取物語、世界史のエジプト、日本史の鎌倉時代となると、当面はそういう要素がまるでない。覚えることばかり多くて気の毒になる。

といって放棄するわけにもいかないから、まあ、長期的に素養として役に立つだろうという希望を持つしかない。本人はそれほど気にしていないようだが。

ところで竹取物語では、かぐや姫が何人もの求婚者にそれぞれ難題を出す。

「これってカレワラと同じだよね」と言ってみる。カレワラというのはフィンランドの民族叙事詩で、フィンランドでは避けて通れないものであるが、長大で難解である。フィンランド語の時間に、部分的に習ってきているが今後も出てくる。

息子はあっさり「カレワラでは難題を出すのは母親じゃん」。

そして「偶然の一致でしょ」とすげない。手元に小泉保著『カレワラ神話と日本神話』というすごく面白そうな本があるのだが、難しくて最初しか読んでない。これを読んでいたら課題婚のことをもう少し深く話せたかもしれなかったのだが。


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若者の携帯の好み
フィンランドのIT産業といえばまずノキアだが、ノキアの第3四半期決算報告についての分析の記事に添えてフィンランドの若者の携帯の好みが 10月20日のAamulehti紙に出ていた。

10才から17才の若者にインタビューした質問は、

1.携帯は薄いほうがいいか
2.携帯で最も重要な機能は
3.他にはどんな機能を使うか
4.新しい機能としては何が欲しいか

なのだが、

1の「携帯の薄さ」については、ほとんどがその必要はないと答え、薄いに越したことはないという意見もあったが、薄くても厚くても変わりない、薄いのを高い値段で買うのは無駄、の方が一般的なようだ。

2の「重要な機能」に対してはほとんどが電話とショートメッセージという、昔からある機能だけを挙げている。ショートメッセージは、携帯メールのおかげで日本ではほとんど使われない機能になったが、GSM方式を使ってきたヨーロッパではやや意味合いが違い、事業者が違っても相互に送れるなど日本での携帯メールにだいたい対応する。ただし絵文字のようなものはない。

3の「他の機能」にも反応は乏しい。せいぜいテレビ番組欄を見たり、MP3で音楽を聴いたり、カメラを使う程度。iモードに代表される日本のような携帯向けコンテンツがあまりないし、撮影した画像を送るマルチメディアメッセージもあるけれどあまり使われていない。

4の「新しい機能」にも全く消極的で、何もいらない、特にない、もう充分など。

というわけで携帯の新機種などにはあまり興味がない様子。大きくて重くて古くても、電話とメッセージさえできればいいようだ。こういった考え方は若者だけではないのだが、日本と違って携帯の本体と加入権を原則として別々に買うというシステム、つまりごく低価格か無料で携帯を新しいものに換えたりできないという状況も一因であろう。

ただ、この国の若者も携帯の所持率や使用頻度は日本に劣らず高い。駐車場や飲み物の支払いに携帯を使うのは以前からあるが、最近では市バスの回数券代わりに携帯を使うシステムも導入されている。日本とは違った方向の携帯の使い方が広がっている。

日本の、小さくて華やかな携帯や豊富なコンテンツといったケイタイ文化を見せてやりたい気もする。若者がそれにのめりこむのもどうかと思うけれども。今後、この国でも日本のような使い方になっていくのかどうか注目したい。

kannykka.jpg

息子の携帯。この妙なボタンの配置が好きらしいが私には使いにくい。ちなみにうちには固定電話はない。


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中学生の時間の使い方
前回書いた疑問に答えるような記事が、ちょうど10月18日のAamulehti紙に載っていた。

統計局の調査によればフィンランドの中学生は思うほどネットに時間を費やしてはいないというもので、自由時間の10分の1程度のようだ。その大部分はゲームであり、パソコン使用時間は男子が女子の2倍になっている。

家の手伝いには30分~1時間、休日はその2倍という。意外とよく手伝いをするではないか。たぶん日本の中学生より多いのではないかと思う。うちももう少しさせなくては。

スポーツに使う時間は平日約1時間、休日はプラス30分。男子は女子より多い。

人とのコミュニケーションには1時間程度。これは家族や友人との直接のおしゃべりや携帯の使用が含まれるが、ゲームを通しての付き合いは含まれない。

学校、宿題、学習に計7時間。これは日本と比べるとたぶん少ないのではないかと思う。塾に行くということもないし。

学習にあてる時間は80年代末に比べ減っているそうだ。教科書の他に、女子は男子に比べ格段に多く読書をしている。読書は15分、80年代末に比べ40%少なくなったという。

テレビを見るのは自由時間の3分の1というからネットよりだいぶ多いことになる。自由時間は平日6時間、休日10時間だ。テレビ視聴時間はこの20年間でかなり増加している。

全般的に個人差が大きく、男子は宿題を全くしない、あるいは休み時間にちょこちょこやってしまったりするが、女子の中には学習時間が4時間という者もいること、ネットに費やす時間はゼロという生徒もいれば4時間という生徒もいたなど。スポーツや人とのコミュニケーションもそうで、人付き合いは好きだが一人でも気にならないという生徒も多いらしい。

個人差もだが、男女の差が(日本に比べれば)かなり小さいこの国の子供でも、時間の使い方の男女差が大きいことが意外だった。

ところで同日の別記事だが、WHOの調査によるとフィンランドの子供の睡眠時間は平均7.5時間でヨーロッパでも最も少ない方に属するという話もあった。日本はどうだろう。なんだかもっと少ないような気がするのだが。


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秋休み~登校日数
200610ruska.jpg

今年の紅葉はとても鮮やかで、なぜか妙に長持ちしている。特に白樺の黄色い葉がきれいだ。

息子の学校はというとまる1週間の秋休みだ。ただし自治体や学校によって違いがあり、近隣でも水曜日から3日間だけ休みという学校もある。だいたい、秋休みがまる1週間の学校は新学期開始(夏休みの終わり)が早い日程になっている。

こういった日程はこのところ議論になっているようだ。秋休みを長く取るため新学期を早めるのがいいかその逆か。1週間の休みがあると家族で旅行に行くのに便利(こちらのパッケージ旅行はだいたい1週間単位なので)である一方、休まずに勤めをする両親は留守の間の子供の世話を考えなければならないといったこともある。秋休みなどなくして夏休みを長くした方がいいという意見も根強い。

わが家としても、日本の夏休みの真っ只中のころにこちらの新学期が始まってしまうのはちょっと不便だから、もう少し遅く始まる方がうれしい。

息子の学校の年間予定を見てみる。

Vuosi.jpg

2006~07年 学期と休みの日程
    秋学期 8/10~12/22
    土曜授業 9/16
    秋休み 10/16~10/20
    春学期 1/8~6/2
    冬休み 2/26~3/2
    イースター休み 4/6~4/9
    休日 5/18

これから、登校日数は秋学期92日、春学期96日で合計188日となる。日本は210日くらいだっただろうか、フィンランドはだいぶ少ないことになる。なにしろ夏休みが2か月以上あるのが大きい。

宿題も少ないと思う。宿題があるといってもそれほど時間のかかるものではないし、ないことの方が多い。週末や長期休みは宿題がない(そうでない学校もあるかもしれない)。

時間割は 9月13日の記事に書いたが、日本の6年生と比べると少ないような気がするがどうだろう。そして朝礼もホームルームも掃除もないから学校にいる時間が短い。塾もないし、フィンランドの子供たちはいつどうやって勉強しているのだろう。



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修学旅行(帰宅して)
準備編 を長々と書いたが、金曜日に息子が修学旅行から帰ってきた。心配したほど天気は悪くなかったらしい。どんな場所なのか、どんなことをしたのか興味津々だが、いつものとおりあまり自分からはしゃべろうとしないので、苦労して様子を聞き出さなくてはならない。

滞在した島は、現在では本土と橋でつながっている。この辺はスウェーデン語地域らしい。フィンランド人のうち約5%はスウェーデン語を母語としているが、その多くは南西部の沿岸地帯に住んでいて、自治体も話者の人口によってフィンランド語が主だったり、スウェーデン語が主だったりして道路標示のしかたにしても違う。しかしオーランド諸島を別にすればスウェーデン語を母語とする人々もほとんどみなフィンランド語を話すので言葉の心配はない。今回は現地の人たちと話す機会はなかったようだが。

キャンプ地は設備もよく、快適に過ごせたらしい。毎日サウナに入り海で泳いだそうだ。このところの気温は10℃前後、海水温はネットで調べてみたら14℃だから相当冷たいと思うが、フィンランド人は平気なのだろう。

他に、服を着たまま水に飛び込むという体験学習もあり、そのときはすごく冷たかったと言っていた。なるほど、服を着ていると、感覚が違ってより冷たく感じるものかもしれない。

焚き火もしてソーセージを焼いて食べたそうだ。これはもうフィンランドのキャンプではお約束の楽しみ方である。

海上にはシリヤラインやバイキングラインの大型客船が通るのが見え、夜は特にきれいだったそうだ。これらはストックホルムとトゥルクの間を航行する船なのだが、今度乗る機会があったら船から島を見るのが楽しみだ。

クラスでも海へのクルーズがあり、船の操舵もさせてもらったらしく喜んでいた。

他には鍛冶、というのか、鉄の棒を真っ赤に熱してトンカンたたいてバターナイフを作るという体験もあり、できあがった作品を家に持ち帰ってきた。

takominen.jpg

バターナイフというにはかなりごつくて重いが、せっかくだから何かに使いたいものだ。

また竹馬での競争もあり、1位になって賞品のポテトチップを持ち帰ってきた。さすがに食べ切れなかったか。お菓子用の15ユーロは残り10セントまで使い果たして帰ってきたので、毎日そこまでお菓子を食べていいものかと思ったのだが…。

ともかくフィンランドらしいアウトドアの楽しみいっぱいの修学旅行、無事終わってよかった。



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修学旅行(準備編3)
前回は修学旅行出発の前の週に保護者会があったところまで書いた。

この保護者会でいよいよ修学旅行の具体的な話、と思ったら、まだ費用が足りないのでもう1度ディスコをやるという話だったので脱力した。例によって関係者は大はりきりのようだが、私はもう今回はいいやと手伝いにも行かなかった。幸い、成功裏に終わったようである。

9月、修学旅行はもうすぐだというのに詳細についての連絡がまるでなく、だんだん不安になってくる。そして旅行の前の週の木曜日に、やっとお知らせがきた。

行き先はこのキャンプ地であるという。

Leirikoulu

南西部のトゥルクの近くで、Googleの航空写真で見るとこんなところだ。

Google航空写真

いい場所のようだし、キャンプ地内にいろんなアトラクションがあるようだ。キャンプといってもロッジのようなところで寝泊りするようで、テントで寝るわけではない。設備は整っているように思える。

日程はあるが持ち物が書いてない。さらに日程表は、「第1日」「第2」という書き方で日付が書いてない…。出発日がいつだったか、以前の書類やら調べなくてはならなかった。まあこれはきちんと書き留めておかなかった私も悪い。が、日本だったら日付はまず書かれるので油断していた。

その日の夕方には保護者会があった。出席したのは妻で旅行の内容だのが語られたようだが、具体的な持ち物は言われなかったという。

目的や行き先が判ったなら持ち物は自分で調べる、という学習の一環なのか?

それならそれでいいが、そういう意図なのかどうかがよく分からないのである。幸い息子はボーイスカウトに入っていてキャンプもよく行くので、持ち物についてはだいたいの見当はつく。だが足りないものや不要なものを持って行く心配はないのか?

結局、翌日の金曜日にクラスで持ち物リストが配られ、旅行中の決まりごとを話し合うという授業があっただ。ほっとしたがしかし…、

持ち物リストとはいうものの、見てみるとタイトルには「5~9月の携行品のおすすめ」と書いてある。担任の先生が書いたものではなく、どこかからコピーしたに違いない。

そして持ち物の中には寝袋が入っている。修学旅行に寝袋って、息子はキャンプが好きだからあるけれどもなかったら? 日曜日に店は開いてないから、土曜日と旅行前日の月曜日しか買うチャンスはないのである。

さらに釣りの道具を持ってきてもよいという。釣りの好きな息子は大喜びで、ちょうど釣竿が壊れてしまっていたこともあって土曜日に新しいの買った。

「旅行中の決まり」を見ると、携帯電話は就寝前に先生が集めて朝返すといったことも書いてあった。じゃあ昼間は使ってもいいということなのか。

他には小遣いが15ユーロまで。キャンプ地には売店があってお菓子などを売っているらしい。息子は、どうせそういうところは高いだろうからといって、近所の店で出発前にある程度のおやつを買い込んだ。

いよいよ当日、早起きして大はりきりの息子だったが、さてどうなることやら。


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修学旅行(準備編2)
前回の続きで保護者会で決まったことについてである。

修学旅行の資金集めのため、まず学校の体育館でディスコを開催する。フリーマーケットに各家庭の不用品を出品する。誰々のつてで町のフリーマーケットのテーブルを安く、だったか無料で、だったか借りられるという話が出る。いろんな資金集めの方法があるものだ。極めつけは担任の先生の発言で、「私は職員室でチョコレートを売るわ。お菓子は安く買える店がどこそこにあるから…」。担任職員室チョコレートを無人販売して修学旅行の費用の足しにするというのである。なんていい先生であろうか。ちなみにこの先生は小さい子供のいる若い女性であるが副校長(教頭?)でもある。職員室で売るといっても1学年2~3クラスの小さな学校で、全教員が買ってもたいした売り上げになるはずもない。しかし後の中間会計報告にこの販売も計上されていたから、本当に実行したようだ。

そして話題はディスコの運営に移る。実際、こういった資金集めのディスコは結構多くて、息子も中学校だの高校主催のディスコにしばしば行っている。入場料は2ユーロ程度だが、会場で販売する飲食物やくじやゲームなどでも収入がある。材料の仕入れ方だの各自の役割だのが熱心に話し合われた。

ディスコはまもなく開催され、私は特に役にはつかなかったけれども、人手があるに越したことはないということなので行って細かい手伝いをした。このディスコにかかわった保護者は、10人はいなかったと思う。つまり全体からすれば少数なのである。こういった活動はいつも有志で行われる。全員に知らされはするが参加や協力は全く自由で、参加しない人のことを気にしないし参加しない方もまるで悪びれない。これは学級の保護者に限らず、集合住宅の共同作業でも同じで、参加しないことを責める空気が全くないのだ。参加する人はむしろ楽しそうに作業をし、参加しない人のことは話題にも載せずにほっておくだけである。

フリーマーケットの方は行ってみなかったが、息子が家の不用品をいくつか持っていった。クラスの児童が順番で店番をし、それなりの売り上げがあったようだ。

夏前には修学旅行費用の払い込みのお知らせもきた。1人200ユーロとなっている。おそらく最終的には調整されると思うが、3泊4日で全費用込みだから、まあ高くないだろう。クラス一丸となった資金稼ぎのおかげである程度は安くなっているはずだ。そして修学旅行の同行者が足りないのでもう1人お願いしますという要請もあった。

しかし資金集めは終わったわけではなかった。夏休み前に配られたお知らせには、ふだんの年にはないひとつの課題があった。草取り、掃除、窓ふき、芝刈りなどなんでもいいから自分の家や近所の手伝いをして5ユーロ以上の給料をもらい、費用の一部に充てるために休み後に学校に持ってくるというものだ。息子は日本から訪ねてきた親戚の通訳をし、20ユーロをもらった。私はそんなにいらないといったのだが…。夏休み後に学校に持っていったら、担任の先生にも本当にこれを全部?と言われたそうだ。他の児童は5~10ユーロだったらしい。

8月に新学期が始まり、保護者会が行われた。さあいよいよ修学旅行の具体的な話、と思ったら…

〈次号に続く〉

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修学旅行(準備編1)
息子はいまフィンランドの南東部にある島へ修学旅行に行っている。

小学校最後の学年に行く学校の旅行という意味では修学旅行といっていいと思うが、日本の修学旅行とはだいぶ違う。旅行の計画は去年の秋ごろの、学級の保護者会で始まった。

これから書くことにはいろいろ驚愕の事実が含まれているが(笑)、あくまでうちの息子のクラスの場合である。フィンランドでは自治体や学校や教師の裁量の幅が大きいので、どこに属するかにより経験することはだいぶ違うと思われる。

さて、こちらの修学旅行はクラス単位だ。そして保護者会でまず話し合われたのは、行くか行かないかであった。行っても行かなくてもクラスの自由なのだということに驚いた。時期は、だいたい最終学年が始まってすぐ、9月か10月ということになっているらしい。

次に期間。2~3泊程度が通常らしく、そのくらいが適当だねということになった。そして行き先。景勝地のキャンプとか、市内の宿泊施設とか、どのクラスはどこそこへ行ってよかったらしいとか、いろんな案が出る。だいたいの方針が決まったところで担任の先生がさらに調べて決定することになった。

そして日本と違うのが(ここまででも十分違うが)、何人か生徒の親が同行するということである。28人のクラスなのだが4人ほどの同行が望まれるらしい。平日に4日休むというのもそう簡単ではないと思うが、行けそうな人もいた。誰々の母親は看護士だから行ってもらうといいとか、本人がいないのに勝手な意見もあった。ちなみにその会合の出席率は半分もなかったと思う。

春先の保護者会のころには行き先や期間などが具体化し、バルト海の島に3泊4日でキャンプに行くことになった。次に出た議題は、資金集めの方法である。修学旅行は、ただ親がお金を出して児童を旅行に行かせるのではない。まずクラスが一体となって資金を稼ぐのである。この資金集めが、修学旅行と一体化したイベントになっているらしい。

どんな活動をするかが熱心に話し合われた。行き先とか、旅行の内容よりよほど熱が入っている。発言者の目の輝きが違う(ような気がする)。

〈次号に続く〉


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お国柄が表れる文章題
算数の文章題にもお国柄が表れる。ホッケー、ベリー摘み、などフィンランドらしい問題がいろいろあるが、今回はサウナ小屋に関する問題が出ている。

こんなイラストと問題。
Ma-sovellus.jpg

Ma-sauna.gif


訳すと、

サウナの下段の板の長さは1.3mで幅は30cmです。中段の板の長さは2.7mで幅は40cmです。上段の長さは2.7mで幅は70cmです。板の面積の合計を計算しなさい。


簡単なはずだ。ところが息子が言うには…


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意外と保守的─フィンランドの中学生の価値観
Aamulehti紙の10月4日の記事より。フィンランド青少年財団(Suomen lasten ja nuorten säätiö)の調査によると、フィンランドの中学生にとって重要なのは「信用」「正直さ」と、意外なほど保守的な価値観であり、善悪の区別ができていて、社会全体にとってもほっとする結果だったとしている。

私も、今どきの中学生は世の中に対してもっとシニカルな考え方なのかと思っていたのだが…。

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学校での記念写真
息子が先日学校で撮った記念写真を受け取ってきた。

毎年この時期は学校で写真撮影を行う。クラスの集合写真と各自のポートレート、希望により友達どうしでツーショットも撮ってもらえるらしい。撮るのはプロの写真屋さんで、後日プリントを受け取るのである。

クラス写真を見るとクラスメートにどんな子がいるかも分かる。実際のクラス写真を出すのは差しさわりがあるが、フィンランドのGoogle で Kuvat(イメージ)を選択して "luokkakuva"の 検索で出てきた結果 を見ていただくと、雰囲気が分かりやすいかと思う。

今年は小学校最後のクラス写真になるわけだが、写真を見るとみな日本なら中学最後といってもおかしくないくらい大人っぽく、背が高い。クラスメートの1人は180cmを超えているそうだ。1学年下のクラスに入っているにもかかわらず息子は小さい方から2番目だそうで、人種の違いだから仕方がないとはいえちょっとかわいそうかもしれない。

ポートレートの方は葉書よりやや大きめ(キャビネ?)2枚で、毎年日本の実家に送ったりして喜ばれている。他にはシールが15枚。これで合計19.90ユーロだった。他にオプションでパスポート用サイズにしてもらったりもできる。切手にするのも以前あったけれど今はないようだ。

毎年の写真を見比べると成長の様子も分かる。この時代写真は手軽に取れるけれども、たまにプロに撮ってもらうのもいいものだと思う。


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走り高跳び
OKWaveの中学校カテゴリーに走り高とびについての質問があったのだが ⇒ http://okwave.jp/qa2448329.html 、ここに書かれている背面とびについてちょっと意外に思ったことがあった。

回答によれば、日本では中学校でも背面跳びは危険なもので指導も難しいということらしい。他の質問で、小学校の大会では背面跳びは禁止という話もあった。

意外というのは、先日市内小学校の陸上大会があり、息子が走り高跳びに出たので見に行ったら、小学校でも低学年以外は全員が背面跳びだったからだ。

200609korkeus.jpg

市内小学校陸上大会で


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歴史の教科書を見比べると
歴史の時間では今、エジプト文明について学んでいる。

これは教科書のエジプト文明の章の一部なのだが、

S6.jpg

5年生だった去年の教科書より字も小さくなり、分量が増えて大変だ。そしてエジプト文明の章は24ページもある。本文の他に、いくつも「豆知識」のような短い文章でエジプト文明を紹介している。写真や図も多いので、ページ全体が文章ということはないが、文章量は多い。

授業では1日2ページから4ページ進むこともあり、予習復習にも時間がかかる。

日本の歴史の教科書のエジプト文明のところを見たら参考になるのではないか。そう思ったのだが、小6の歴史にエジプトはなかった。

ところでちょっと日本の6年生の社会の教科書と比べてみる。

J6.jpg

(昨年度のだから今年度は違うかもしれない)

内容はともかく、見かけがずいぶん違うような気がしないだろうか。

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プロフィール

Sommoro

Author:Sommoro
フィンランドに通算十数年住んでいます。家族は妻、高校生の息子、そして大型犬。

ショートカット
フィンランド三大誤解
東郷ビール フン族 サウナ
『欲ばり過ぎるニッポンの教育』
同感な点 変な点 教師の比較
学力関連
PISA 達成度 数学力 国語力
外国語教育
小学校英語 英語一辺倒 瑞語 選択肢 干渉
教科書見比べ
理科 数学 歴史
授業時間・日数
時間割 登校日数 1日多い
学級定員
長官提言 給与増の影響 動向 10年生 統計
校内問題
いじめ 暴力 護身術 警備員
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