スオミの森の陰から
フィンランドの湖畔に移住した(?)日本人家族の日常や現地事情を書いています。
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通信教育終了
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息子は中学1年のときから海外子女教育財団の通信教育で日本語の学科を勉強しているのだが,ついに中学3年の課程を終え,最後の添削問題の回答を送ることになった。

こちらの学校の勉強との両立は大変なこともときどきあったが,とりあえず日本にいたなら中学卒業という時期どおりに終わったのは偉いと思う。

日本人の先生に見てもらっている国語も,今週でちょうど終わりになった。息子としては国語はなんらかの形で勉強し続けたいという気持ちがあるようだが,どのように勉強していくのか,何を目標にするのかなどは現時点では決まっていない。日本国外にいると教材も手に入りにくいし難しいところだが,なんとか勉強が続けられればと思っている。


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テーマ:子育て・教育 - ジャンル:学校・教育

日本の教科に集中
大晦日、今年も終わりに近づいてきた。

クリスマス休みの息子は、学校の宿題もないので通信教育(海外子女教育振興財団)での日本の教科の勉強にいそしんでいる。中学3年の国語、数学、理科、社会をワークブックにそって勉強し、月に一度はテストのような問題(Vチェックという)に解答して添削してもらうのだ。

ふだんは学校の勉強があるので日本の教科は週末くらいしか勉強できない。そのため次第に遅れが出てきていたが、休みに入ってから発奮したのか遅れを取り戻し、今日は11月分と12月分のVチェックを投函できるようになった。2か月分の解答をまとめて発送するのは初めてだと思う。ともあれ今年の間にここまで進んでほっとした。

200812vcheck.jpg

この通信教育も残り3か月で中学校の全教程を終えることになる。一方、フィンランドの中学校生活はちょうど半分が終わり、1月から8年生後半の春学期が始まる。


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通信教育の添削
息子は日本の教科を通信教育で勉強しているのだが、ふだんのワークブックの勉強に加え、1か月に1回、問題に解答して日本に送り添削してもらうことになっている。

添削はたいへん丁寧で、答えの導き方や参考になる内容が書き込まれているのでいつも感心している。

さて、1月に提出した回答が添削されて返送されてきた。いつも他の数学、理科、社会はまあまあなのだが、だいたい国語は相当直されている。

今回の国語の内容は『走れメロス』と『五重の塔はなぜ倒れないか』である。その中の『走れメロス』についての問題で、

    傍線(1)「悪い夢を見た。」とありますが、それはどういうことですか。

というものがあった。息子は回答に

    セリヌンティウスとの約束を果たすことをあきらめようとしたこと。

と書いたが模範解答は、

    戻ってくるという約束を破ろうとしたこと。

となっている。それほど遠くない答えだったのではないかと思うのだが、息子の答えではバツなのだ。

『五重の塔はなぜ倒れないか』では

    傍線(1)「剛構造」と傍線(2)「柔構造」について、それぞれどういうものか説明しなさい。

という問題があり、「剛構造 」については

    柱や梁を太くし、結合部を頑丈にして地震の力による変形に耐えようとする構造

と書いて三角。回答の最後に「。」がついていなかったからである。「柔構造」についても同様だった。内容は正しかったのだが。こういったことでかなり点を失っている。

私は採点について不満なわけではない。むしろ、日本の回答のしかたを身につけるのにはいいと思う。こちらでもミスがあればもちろん減点されるが、その程度はまだしもゆるい。日本で回答にこういった厳密さが求められることは、こちらで暮らしているとついつい忘れてしまうのだ。


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地理の学習とGoogle Earth
息子が海外子女教育振興財団の通信教育で勉強している社会では、「世界と日本の地形」という地理の分野が始まった。

造山帯、海溝、平野、盆地、扇状地、三角州、リアス式海岸など基本的な地形やそのできかたを学習する。

教科書に文章での説明や地図、写真などが載っているのであるが、実際の地形を Google Earth で眺めてみることを思いついた。Google Earth は以前からパソコンにインストールしてあって、あちこち眺めては楽しんでいたのである。

これで教科書に出てくる特徴的な地形を見てみると面白い。特に、3D表示にして立体的に見ながら少しずつ移動したり角度を変えて眺めると臨場感がある。さらに、ところどころに現地で撮った写真があるのでそれを見ると地上からの景色も分かる。しかしまあ、便利になったものだ。昔は地図の等高線から立体的な形を想像するのが精一杯だったが…。

こうやって眺めると、日本は小さい国でありながら多様な地形を持つ国だと思う。ちょっとスクロールしただけで平野から複雑な海岸線、山脈へとめまぐるしい。フィンランドは湖と森のまだら模様を見るのは楽しいが、どこまでいっても同じような景色である。平坦な地形だから3Dで見てもほとんど変わらない(笑)。


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絶対値の記号
7年生(中学1年)の数学は正負の数とその計算から始まった。

これは日本の中学校の数学でもそうだった。息子の場合、たまに符号を付け忘れたりするのを除けば、正負の数の操作は慣れていると思う。この概念をちゃんと理解していないとそれ以降の等式の取り扱いもできないのだから。

息子は通信教育で日本の数学の2年生半ばまで行っているので、まあフィンランドのこの時点での数学は問題ないと思っていた。

先日、数学のテストがあって、全般的にはそう悪くなかったのだが、意外なところで間違えていた。

  |-3| □ 3
  |+5| □ |-9|

の □ の中に >, = , < のどれかを入れよという問題である。

なぜそんな簡単な問題を間違ったのか聞いてみたら、絶対値の符号 | | が何か分からなかったという。

それは日本の数学でも正負の数のところで出てきただろ、と言ったのだが、なんだか納得できない様子。後で息子が持ってきた数学の教科書を見たら、絶対値の定義や絶対値の計算のしかたは出ていたが、なんと絶対値記号は使われていないので驚いた。日本の数学の教科書は2つの出版社のものがあるので、念のため両方見てみたのだが。日本の中学校数学では絶対値記号を使わないのだろうか。

もちろんフィンランドの数学の教科書では絶対値記号を使っていて、それを覚えていなかった息子が悪いのであるが、数学は日本よりやさしいと油断してよく復習しなかったのが失敗だったようだ。


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体験入学申請
実は私は今、日本に来ている。出張に休暇を少々足して実家に滞在しているのだ。

この機会を利用して、息子の体験入学の手続きをすることにした。これは例年、母にやってもらっている。まずは市役所の義務教育課に行き、体験入学の申請書を出すことにした。

用紙は1ページの簡単なものだが、書き始めてみると申請者の住所の欄がある。私の現住所はフィンランドでこの市に住民票があるわけではないし、どうしようかと相談して結局は母が申請者となることになった。同行したのが幸いだった。

海外からの体験入学者は結構多いのか、同様の申請書が分厚くファイルされている。

ここから受け入れ校に連絡が行くので、できたらちょっと顔を出して欲しいと言われた。自分でもそういうつもりだった。去年もお世話になっていることであるし。

翌日の朝、中学校に電話をしてみたところちょうど都合がよさそうだったので即、訪ねることにした。校長先生、教頭先生、去年担任だった先生に挨拶をし、スケジュールや持ち物など具体的な内容も話し合った。基本的には去年と変わらないので難しそうなことはなかった。

2年になってクラス替えが行われているので、去年と同じクラスというわけではなく、どのクラスになるかは未定ということだ。

注意事項としては体験入学だと公的な保険が適用されない場合があるということだが、旅行保険を掛けてあるので大丈夫だろう。実際、去年も一昨年も体験入学中に通院した医療費は保険で払われている。

あとは教科書。体験入学だと教科書の無償配布はない。しかし大使館からもらった教科書(⇒4月20日の記事)があるのでそのまま使える。ただし英語では別の出版社の教科書を使っているので、これは買わなくてはならない。

まあこんなところで打ち合わせも終わった。息子の日本滞在、今年もうまくいくといいのだが。

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教科書が届いた
日本大使館から新学期の教科書一式が届いた。しばらく前にメールで郵送をお願いしておいたものだ。

200704oppikirjat.jpg


在留邦人は子供の小中学校の教科書を大使館からもらえる。無料なのもだが、家に送ってもらえるのがありがたい。何年か前までは、大使館まで受け取りに行かなくてはならず、送料受取人払いで送ってもらうことすらできなかった。大使館業務でなかったのだろうからしかたないが、大使館の開館は平日で昼間の限られた時間であり、それだけのためにはるかヘルシンキまで行くのは大変だったので、他の日本人が行く機会に受け取ってもらったりしたものだ。

が、いまやメールで郵送を依頼するだけで送ってもらえるのだから楽になった。

今回はなんだか冊数が多いようで10冊ある。数学や国語は2年生用で独立しているので分かりやすいが、教科によっては「2・3上」「2・3下」となっている。これは2~3年で上下2冊を学習するということだろうか。われわれの中学校の頃とは様変わりしているようだ。

海外子女向け通信教育はこの教科書に準拠しているが、6月になって日本で通う中学校の教科書は違う教科書会社のものかもしれないので、確認して手配しなくてはならない。こちらは当然無料というわけにはいかず、しかも1か月ばかりの間使うだけなのでちともったいないがしかたがない。息子は後になって見直すわけもないし…(笑)。

というわけで日本・フィンランドの2か国の分に加えてこういった追加もあるので、うちは教科書の数だけはやたら多いような気がする。


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添削結果が届かない
息子の日本の教科の学習は、海外子女向け通信教育を利用している(カテゴリー「日本の教科」)。

この通信教育では、日常の学習に加えて毎月末に課題の問題を解いて郵送すると、添削された解答が翌月後半くらいには返送されてくるようになっている。

が、1月の課題の添削結果がまだ届かない。もう1か月半にもなるのでちょっとおかしいかなと思い、メールで問い合わせてみた。

昨日メールして今朝もう返信が届いていたのだが、それによるとこちらから送った解答が日本の事務所に届かなかったようだ。たしか1月末には投函したと思うのだが。

郵便事故かもしれない。日本とフィンランドの間の郵便はかなり信頼できて、途中でなくなることなどめったになかったが、つい昨年の11月に日本から発送された書籍の小包が行方不明になったばかりだ。これは何冊も読みたい本があったので痛かった。だいぶ経ってからひょっこり配達されるかもと思い、再度同じ本を買うのをためらっている。

今回も郵便事故だとしたら、まああきらめるしかないだろう。いつも、解答を送る前にスキャンしてファイルに取っておこうかとも思うのだが、用紙がA4より少し大きいので半ページずつ2倍の分量スキャンするのが面倒だったのだ。

添削された解答を見るのは励みにもなるので残念ではあるがしかたがない。


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「フィンランドの東郷ビール」
3月は日本の学期末、各教科の教科書も終わりに近づいてきた。歴史では今、江戸時代を勉強していて明治維新も近い。

社会科の補助教材である東京法令出版『グラフィックワイド歴史』の明治時代の章を見ると、東郷平八郎についてのコラムがあった。

日本海海戦では,指揮官としてすぐれた力を発揮し,勝利へ導いた。そのため東郷の名は,フィンランドで,ネルソンらとともに著名な提督の名をつけたビールの商品名になり,現在も売られている。

そして「↑東郷ビール」というキャプションのビール瓶の写真。

う~む、まだあったのか「東郷ビール」伝説。

東郷ビール伝説というのは、フィンランドに実際にはない「トーゴービール」なる銘柄がいかにもあるかのように、そしてそれが東郷への敬意だとか親日の証だとしてどんどん尾ひれがついて広まった話のことだ。

この経緯と真相については 「東郷ビール」なんてありません が詳しいが、簡単にいえば「アミラーリ」(「提督」という意味)という商品名のビールが各国提督の肖像画を変わりラベルにしていて、その1人が東郷平八郎だったというだけだ。

このビールは70年に生産開始、90年代初めに一旦製造中止となり近年復活したが、現在は変わりラベルではなくなってネルソンの肖像だけになった。だから東郷のラベルのビールが現在も売られているというのも正しくない。

提督ビールがスタートした当時は東郷はラベルセットに入っていなかったし、ラベルになった23人の中には、日露戦争で東郷の対戦相手だったロシアのマカロフやロジェストベンスキーも入っている。これだけでも東郷を記念するビールなどではないのは明らかだ。

まあたまたま東郷のラベルのついた瓶だけ見れば、これが変わりラベルだなんて思う人はいないだろうから、「日本の提督がフィンランドのビールのラベルになったんだ!」と思ってもしかたがないとは思う。

ところがこの東郷ビール伝説は広く流布していて根が深い。

ビール瓶のラベルを教室で見せて伝説に沿ったストーリーを教える社会科授業の様子を記したWebページもあったし、「フィンランドは親日」という話になると引き合いに出されるのが常で、著名なジャーナリストや政治家でも「東郷を讃えるビール」などと平気で書き、さらには「東郷はフィンランドの英雄」とか「フィンランドの歴史の教科書に出ていてフィンランドの子供はみんな知っているのになぜ日本の歴史では教えないのか」なんて意見もある。実際は、日露戦争についてはフィンランドの歴史の教科書に短く出ているけれども東郷の名はない。一般のフィンランド人は日露戦争といっても「聞いたことはあるかも」程度で、当然東郷の名など知らない人が多い。

一方、話がややこしくなるのは、同じデザインの「東郷ビール」は現在日本でも売られていて、それはオランダ産のプライベートビールに日本の会社が東郷のラベルをつけて売っているからだ。これについてくる説明書きが、どうやらまさに東郷ビール伝説を真実のように書いているらしい。私は実際に見たことはないので確実なことは言えないが、ネット上にあるその説明書きの引用などからするとおそらくそうなのだろう。

さらに悪いことには、どうやら真相を知っていながら、それでも子供たちをミスリードしようとする大人がいる。何年か前のある大手新聞の社説でも、真相を知っているわれわれには字面上間違いとは指摘しにくいが、何も知らない人が読んだらおそらく東郷ビール伝説と同じ印象、つまり「フィンランドでは東郷が尊敬されていて記念ビールまである」と思ってしまうであろう記述を見つけて、当時のフィンランド関係メーリンググループでもその表現の巧妙さに感心したことがある。

まあこういったことで「東郷ビール」、ひいてはフィンランドについての誤解が増幅されたりするのは困ったことだ。


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日本式解答欄
息子が受けている日本の通信教育では、日常各教科の練習問題を解いていき、月ごとにまとめの問題の回答を提出して添削してもらう。

提出する解答は提出前に家で答え合わせをしないのだが、あまりに問題の読み方を間違えていたり解答のしかたを間違えていると、せっかく添削してもらうのに無駄になるので簡単にチェックする。

今回の理科は「地震」の単元だ。問題で、

(2) A~Dの地点は,震央からの距離がそれぞれ異なる。震央に近い順にA~Dの記号を並べなさい。

   (  →  →  →  )


というものがあった。この解答欄のところに

   

と解答しているのだが、これではその前の問題とつじつまが合わない。どうやら順番を逆に並べている。意図しているところは

   

であろう。

たぶんまた問題をよく読まなかったんだなと思い(息子にはありがちなのだ)、聞いてみると「近い順に並べる」と言われたときに近い方を右に書くのか左に書くのか確信が持てず、解答欄に矢印があったので、最も近い地点を矢印の指すところに書かねばいけないような気がしたという。

苦笑する話ではあるが、そういえばフィンランドでは今までにも何度か書いたように(⇒11月8日の記事など)、テストの解答は記述式のことが多く、文を書かなければならないから解答欄はいたってシンプルである。

一方、日本のテストは、たとえば「…した宗教を答えなさい。」という問題に対して解答欄に

          教
───────────


と書いてあったり、距離や温度を答えるときに「km」とか「」があらかじめ書いてあったりする。この方式は親切だし無駄を省けるし誤解もしにくいのでいいとは思うのだが…。

フィンランド式の教育を受けていると、ちょっと馴染みにくいのかもしれない。

というのは以前、多くの人に回答を記入し提出してもらう用紙を作ったとき、つい日本式に必ず書くであろう部分をあらかじめ印刷しておいたことがあるのだが、返却された記入済みの用紙を見たらかなり多くがそれを無視して自分の好きなように書き込んでいた、ということがある。それも一度ではない。

私自身も昔、手帳の住所録の電話番号の欄で、

Tel.   (    )    
────────────────


などとなっているこの括弧の位置が、電話番号によってはものすごく邪魔で、括弧もハイフンも何も書いてない手帳を探したがなかなか見つからなかったことがある。

よしあしはともかく、日本の教科を勉強する以上は、内容ばかりでなく特有の言い回しや解答欄の作法にも慣れてもらわねばならない。

そこで妻が言うことには、どちらの順で並べることが要求されているのか確信が持てなかったら、答えを書き込むだけでなく、

   遠い方近い方

のように説明を書き加えてしまえばいい、と。

なるほど、点数はもらえないかもしれないが、自分の出した解答が採点者に伝わることは確かであろう。私は解答欄に求められている解答以外を書くことは思いつかなかったのだが、妻の方がフィンランド的思考になっているのかもしれない。

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接線?接戦?
息子の日本の教科の勉強は、主に海外子女向け通信教育の教材や問題を使っているのだが、わが家ではなるべく問題文や教科書を音読させることにしている。

そうでないと、読み方を間違って覚えているのに気づきにくいからだ。

たとえば「境内」という言葉を、うっかりすると「きょうない」と読んでしまったりする。ふりがながあったりして読み方が書いてあったとしても油断はできない。というのは「けいだい」と書いてあっても、平板アクセントで「慶大」のように読み、その読み方を覚えてしまったりするからだ。

われわれ大人からすれば、アクセントの位置は当たり前のことが多いのだが、子供にとって初めて見る漢語にふりがなが付いているだけでは正しいアクセントで読めるとは限らない。

フィンランド語では常に語頭が強くてアクセントの違いで区別する言葉がないので、日本語のこういった差に鈍感になってきているのかもしれない。

問題は国語だけではない。数学でも理科でも社会でも、日常生活では耳に入る機会がなく教科書で初めて出会う言葉というのは思いのほか多い。

たとえば数学なら、「等分」「対称」「垂線」「接線」という言葉が出てくるが、これらはそれぞれ「糖分」「大将」「水洗」「接戦」とアクセントで区別しなくてはならない。こういった例は枚挙にいとまがない。

ふだん家庭内で使う言語は日本語だから日本語の発音については心配ないと思われがちだが、生活の語彙は限られていて、教科書に初めて出てくるような言葉は耳から入ってくることがほとんどなく、正しいアクセントで読むのは意外と難しい。語彙を養うのに読書がいいと言うけれども、読書ではアクセントは習得できないし。

漢字の表記だけからアクセントを推定することはできないのだろうか。たとえば同じ「接」の字で始まっても「接線」は頭高アクセント、「接戦」は平板と、アクセントのルールはないように思える。としたら大人はどうアクセントを習得したのだろう。やはり実際に読まれるのを聞いたのだろうか。だとすると息子のように日本語は家庭生活だけという状況だと、なかなか習得しにくいだろう。

辞書、特に三省堂の国語辞典を引けば、アクセント型が数字で書いてあるので正しい読み方を知ることはできるが、新しく知った全ての語を辞書で引けとまでは言えない。いつも分からないというならともかく、間違っていないことも多いのだから。

結局音読をさせておかしなところを直すことになっている。


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課題の添削から
息子は日本の教科である国語、数学、理科、社会の海外子女向け通信教育を受けている。この通信教育では日常の課題を終わらせた後、毎月それぞれの教科で問題に解答して提出し、添削してもらうことになっている。

9月分の解答の添削が先日返送されてきた。

いつも丁寧で詳しい添削には感謝しているが、特に今回の国語は印象深かった。

課題は米倉斉加年著の『大人になれなかった弟たちに…』という作品が対象なのだが、これは戦争中に弟を栄養失調で亡くしてしまう著者の話で、弟の遺体を用意されていた棺に入れるときに成長に気づいた母が初めて涙を流すというシーンがある。

このときの母の心情に○×をつける問題があり、設問の中に「ミルクも満足にやれなかったのに成長していたことを知った喜び」と「精一杯ここまで育てられたことに対する満足感」というものがあった。

子を栄養失調で失った母の心情に対して「喜び」と「満足感」であるから、設問を見ただけで×と、まあ大人には判るのだが息子は○をつけていた。私は提出時にそれに気づいてはいたが、どう指導されるのだろうとちょっと興味もあった。

で、添削された回答では、その問題のでの説明に加えて、「先生から」というコメント欄に10行にわたって切々と母親の心情についての説明がされていた。さらに表紙の通信欄の書き込みで、この先生は戦争体験はないけれど子を持つ母で、特にこの心情を解って欲しいと考えているようであった。息子の解答がショックだったかもしれない。すみません、先生。

それを見た息子自身はというと、書いてある内容は理解したようだがそれほどの心情の理解に至ったかどうか。


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古典と歴史と
日本の国語は今、「古典に親しむ」という単元で、いろは歌から始まり『竹取物語』に入っている。古文とその現代語訳や解説を勉強する。

  今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を
  取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきのみや
  つことなむいひける。
  その竹の中に、もと光るたけなむ一筋ありける。…
  (光村・中1国語より)

おなじみの冒頭だが、現代文でさえ同学年の日本語を自由に読みこなせるわけではない息子に、これはなかなかきついと思う。幸い通信教育の教材として朗読CDがあって、読み方のお手本にはなるのだが。

運悪く、というべきか日本の社会はいま鎌倉時代だし、現地校の期限授業(「期限授業」については⇒9月13日の記事)は歴史でエジプト時代だ。フィンランドの教科と日本の教科で、互いに役立たないことずくめなのだ。数学や理科、英語はもちろん、社会であっても地図の読み方などは共通性もあるし、以前日本の教科で学んだことがフィンランドの教科で役に立つこともあればその逆もあるのだが、竹取物語、世界史のエジプト、日本史の鎌倉時代となると、当面はそういう要素がまるでない。覚えることばかり多くて気の毒になる。

といって放棄するわけにもいかないから、まあ、長期的に素養として役に立つだろうという希望を持つしかない。本人はそれほど気にしていないようだが。

ところで竹取物語では、かぐや姫が何人もの求婚者にそれぞれ難題を出す。

「これってカレワラと同じだよね」と言ってみる。カレワラというのはフィンランドの民族叙事詩で、フィンランドでは避けて通れないものであるが、長大で難解である。フィンランド語の時間に、部分的に習ってきているが今後も出てくる。

息子はあっさり「カレワラでは難題を出すのは母親じゃん」。

そして「偶然の一致でしょ」とすげない。手元に小泉保著『カレワラ神話と日本神話』というすごく面白そうな本があるのだが、難しくて最初しか読んでない。これを読んでいたら課題婚のことをもう少し深く話せたかもしれなかったのだが。


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四字熟語
海外子女通信教育の国語の、10月の最初のテーマは四字熟語。

国語として定番の内容だが、日本語の語彙力が乏しいことがよく分かってしまう。四字熟語というのは知っている単語を組み合わせたり、知っている漢字を組み合わせることで新たな意味になるところが言葉の妙だと思うが、その漢字自体を知らないことが多いのだ。

新しい漢字の意味、読み方、そして四字熟語となったときの意味まで一度に覚えるのはなかなか大変だ。しかも四字熟語の数の多いこと。

ところで今日の夕食はうどんだった。うどんといっても市販のものなどないので、家で小麦粉をこねて打つのである。妻はこねるのを初めて息子にやらせたのだが、息子はずいぶん長い時間こねていて、もういいと言ってもなかなかやめようとしなかった。

そのせいか、できあがったうどんはつるつるしてなかなかおいしかった。

妻が言う。「誠心誠意 こねてたからねえ。」 四字熟語に取り組んでいるのを聞いていたのだ。
私も言う。「一心不乱 にこねてた。」

息子…黙っている…降参か…? が、口を開く。

異口同音 にほめてくれるねぇ。」

よしよし。



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夏は日本の学校に
フィンランドの学校は5月末か6月初めには夏休みに入る。そこでこの時期に、4年生のときから日本の小学校に「体験入学」させてきた。最初の年は4週間の日本滞在だったが、少しずつ伸び、4回目の今年は6週間で、初めての中学校だった。


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日本の教科の勉強をどうする
子供は言葉の習得が速い。フィンランドに来て2年ほど経ったころには、友達とフィンランド語で会話する分にはほぼ不自由がなくなった。しかも大人のように頭の中で文を組み立てて話すのでなく、反射的に口から言葉が次々と出てくる。バイリンガルになりつつある。

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Sommoro

Author:Sommoro
フィンランドに通算十数年住んでいます。家族は妻、高校生の息子、そして大型犬。

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フィンランド三大誤解
東郷ビール フン族 サウナ
『欲ばり過ぎるニッポンの教育』
同感な点 変な点 教師の比較
学力関連
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