スオミの森の陰から
フィンランドの湖畔に移住した(?)日本人家族の日常や現地事情を書いています。
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二次方程式の解き方
201011toisen.jpg

息子は数学で二次方程式や二次不等式の勉強をしている。

日本の,中学の数学でも習った内容も多い。ところが,フィンランドと日本では二次方程式の解き方でちょっとした違いがあるようだ。

日本では,二次方程式を解くのに3つの方法を使う。

1.因数分解をする
例)
    x 2 + 2x - 3 = 0
    (x - 1) (x + 3) = 0
    x = 1, -3


2.平方完成をする
例)
    x 2 - 4x + 1 = 0
    x 2 - 4x + 4 = 3
    (x - 2) 2 = 3
    (x - 2) = ±√3
    x = 2±√3


3.解の公式に代入して求める
(上の写真の式)

そして与えられた方程式がどれで解けるか見当をつけて解くのが定石だと思う。

ところがフィンランドでは二次方程式の解法といえば解の公式への代入一本槍らしいのだ。教科書を見てみるとかろうじて
    x 2 - 5x = 0
    x (x - 5) = 0
    x = 0, 5


    5 x 2 - 20 = 0
    x 2 - 4 = 0
    x 2 = 4
    x = ±2


という例が出ていて,これは因数分解と平方完成ともいえるが,bが0とかcが0のごく簡単なケースだ。一般には因数分解で簡単に解けそうな方程式でも解の公式に代入して解く。

まあ物理など実利的に二次方程式を解かなくてはならないときは,因数分解しやすいとは限らないから最初からあれこれ考えずに解の公式に頼るのが面倒がなくていいともいえる。

解くという目的を達成できればいいのだからとにかく解の公式を使う,というのはテストなどで電卓を使って計算していい(使ってはいけないこともあるが)というフィンランドでの方針と,どこか共通するところがあるとも感じる。

しかし数学の問題というものはただ解が得られればいいというだけでなく,手順を工夫してきれいに解くことで得られるものもあると思うし,そういう手続きを通じて式の取り扱いを体得し,おおげさかもしれないが数学的センスを身につけるという意味もあるのではないかと思う。

そういう点では日本式にいくつか解き方を知っているのはいいことだと思うのだが…。ともかく,日本との差が比較的少ない数学という教科での面白い違いだと思う。

息子は日本の教科書でも数学を勉強したので3つの解き方を知っている。因数分解で解いていたら,教室でそんな解き方があるのかと珍しがられ,さらには回りの生徒が真似し始めたらしい。


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数学で三角関数
息子の数学の授業では三角関数を勉強している。

私は三角関数は高校で習ったし,日本の通信教育の数学でも中学校までには出てこなかったから,今も日本ではそうだと思う。こちらの数学といえば日本の数学で習った範囲内のことが多かったので,この逆転はちょっと意外だ。

三角関数のうち,最初に出てくるのはタンジェントで,それが2辺の比の値であることから始め,応用問題をやった後,サインとコサインが出てくる。

tan.jpg

日本で三角関数の導入というと,正三角形や直角二等辺三角形の辺の長さを使って30°,45°,60°のサイン・コサイン・タンジェントを求めることから入るのが定石だと思うが,それはない。三角関数の,特定の角度に対する値というのは教科書に書いてあったり授業中に電卓を使って調べるもののようだ。

直前の単元で三平方の定理を勉強したのだから,三角関数のいくつかの角度の値を求めるのに応用してもよさそうなものだが,そうはなっていない。

三角関数のグラフは書かないのでサインカーブも出てはこない。また三角関数というと,いろんな公式や定理を呪文のように覚えるのがいやだった記憶があるが,そういったものもない。たぶん高校で習うことになるのだろう。


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技術科での工作
息子が,選択科目の電気系技術科で作った集音器というか盗聴機というかを持ち帰ってきた。

お椀のようなもので集めた音を増幅して聞くもので,これにイヤホンをつけて使う。

200902sahko.jpg

この前はインターホンだったか,まあいろいろな物を作る。

しかし,部品やマイク,電源,スイッチ,音声出力などの接続はするが,なぜそれで働くのかという回路の原理を理解して組み立てているわけではない。これでは電気製品の組立作業になってしまって電気回路の勉強になっていないと思う。

電気・電子工作といったら,もう少し基本的なコイル,コンデンサ,抵抗などの原理や働きを理解しかつ手も動かして体験するのがいいと思うのだが。

機能は単純でも,昔でいうところのゲルマニウムラジオ,つまりダイオード1本とコイル,バリコンで作るAMラジオだったらいろんなことが学べるのに。自分が子供のころ,電源もなくてラジオが聞こえるということに驚愕したものだった。

まあこの国の放送はFMばかりでAM放送がほとんどないので,AMラジオは実用にならないのだけれど。またいろんな電子機器に慣れきった今どきの子供は,単純すぎる電子機器では見向きもしないのかもしれない。


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選択科目の希望調査
息子が学校から,9年生となる来年度の選択科目の調査票をもらってきた。

去年(⇒08年02月03日)もだったが,ずいぶん早く希望を出すのだ。

すでに決まっている8~9年生での「長い」選択科目3つは変わらないので,今回選ぶのは「短い」選択科目,つまり1年の1/4の期間に週2時間受ける授業1科目だけ。

選択の幅は相変わらず広い。ビデオ製作,英語上級,物理化学実験,料理,絵画,ダンス,バンド,ポップソングとカラオケなどというのまで20科目ほどある。今年との違いも少しあり,息子が現在選択しているアニメーションはなくなっている。

息子自身は,「心理学入門」,「物理化学実験」,「起業とマーケティング」に興味があるようだ。「物理化学実験」は前回もあったのだが,希望者が少なかったらしく実現しなかった。2科目取れればいいのになどとも言っているがどうなることか。


歴史のレポート
9月5日に書いた、歴史の成績を上げるためのレポートを息子が書き上げた。

タイトルは「第二次世界大戦中の日本」で、戦争への経緯、戦争中の日本の状況、祖母(私の母)と祖父(私の妻の父)への電話インタビューで聞いた話のまとめ、そして戦争の結果という章立てで、A4用紙4枚の予定だったが5枚と少しの量になった。

4回の週末でそれぞれの章で書く内容を調査して下書きし、今週末で清書した。中間段階でも歴史の先生に助言してもらった。実際のところかなりの時間を費やしたと思う。本人の力で書き上げるのが条件なので私はほとんど口出ししなかったが、まあよくやったと思う。長い文章を書く練習にもなったし、インタビューの内容や日本語で調べたことをフィンランド語で表現するのに苦心もしただろう。

このレポートの評価がよければテストの結果から1段階成績が上がるということで、そうなればいいのだけれど、成績を別としても本人が得たものは大きいと思う。


評価点を上げるレポート
3月28日に書いた、歴史の評価点を上乗せする方法について担当の先生から連絡があった。

それによると、歴史に関するレポートとして「第二次世界大戦での日本」について書くことがいいと思うがやる気はあるかということだった。さらに問い合わせたところでは、レポートはA4用紙4ページほどで、画像を少し使ってもよく、日本にいる知り合いにインタビューした内容を盛り込んでもいいということだった。

重要なのは本人が自分で構成を考え、自分が理解した内容を自分の言葉で書くことだという。同様の説明を、息子も直接先生から聞いたようだ。

締め切りは秋学期前半が終了する10月半ば。これで成績が多少上がるならそれに越したことはないし、本人にとっても勉強になるのでやってみることにした。

うまく行くといいのだが。


数学で分数の四則演算
8年生になって最初の数学の単元は分数の四則演算のようだ。

今さら、という感じがする。分数の四則演算といえば、日本では5~6年生ではなかったか。フィンランドの数学でも6年生か7年生でやっていたと記憶してるのだが、復習かまとめなのだろうか。数学では教科書と問題集が別々ではなく教科書の中に問題がたくさんあるのだが、それが延々と続く。



息子にとっては簡単すぎる内容だが、あまり軽視することもできない。「約分する」など日常生活では出てこない数学用語もあるから。

フィンランド人生徒にとっても難しいわけではないと思う。これに限らず全般に数学はやさしめでテストの平均点も高い。そのためわずかなケアレスミスで相対的に点が下がり、いかに数学を習得したかでなくいかに慎重に計算したかが数学の評価になってしまいがちな点はどうかなあと思う。


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学習言語の干渉
息子は日によっては学校でフィンランド語、英語、スウェーデン語の授業を受け、その後日本語の先生のところに行って国語の授業の計4言語を学ぶという状況になっている。

本人がどのくらい負担に感じているか分からないが、いくつもの言語を習っていることで言語学習上の干渉が起こっているのかなと思うことがある。

簡単な例にしてみると、「彼はどこに住んでいますか?」を英語にするとき、そのフィンランド語である Missä hän asuu ? を英訳しなさいという問題だと、Where does he live ? でなくフィンランド語の語順につられて Where he lives ? という文を書いてしまったりすることがある。

ま、英語のかなりできるフィンランド人でもこの方式の英語を使うことはよくあるのだが。

フィンランド語、英語、スウェーデン語は基本的に 主語、動詞、目的語 の語順を持つ、いわゆるSVO言語である。「彼は学校の近くに住んでいる」は次のようになる(主語を、動詞をにしてみた)。

芬) Hän asuu koulun lähellä.
英) He lives near the school.
瑞) Han bor nära skolan.

ところが否定文になると否定詞の付け方はだいぶ違う。

芬) Hän ei asu koulun lähellä.
英) He does not live near the school.
瑞) Han bor inte nära skolan.

疑問文ではフィンランド語とスウェーデン語が同じで、

芬) Asuuko hän koulun lähellä ?
英) Does He live near the school ?
瑞) Bor han nära skolan ?

疑問詞付きの文だと三者三様になる。

芬) Missä hän asuu ?
英) Where does he live ?
瑞) Var bor han ?

さらにスウェーデン語では副詞句が文頭にあると次に動詞が来る(ドイツ語と同じ)といった現象もあったりする。原則SVOとはいっても違いが大きい。中学校で始まったスウェーデン語が影響して、憶えたはずの英語の語順にも混乱が起こっているのかもしれないと思う。

さらに日本語もあるが、息子にとっては母語だし文法がかけ離れているのであまり関係ないのだろう。

フィンランドでは小学校から第二外国語が取れたり、外国語教育に関心の高い親が多いが、多くの言語を子供のころから一度に学んでみな大丈夫なのだろうか。

それにしても、英語で主動詞が疑問文や否定文では do と動詞の原型に分かれるという現象は、慣れてしまっているから何とも思わないけれど、考えてみると他の言語にない特異な文法なのかもしれない。


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評価点を上げる方法
3月21日に書いた歴史のテストについて、歴史の担当の先生に電子連絡帳で問い合わせていたのだが、その返信があった。

それによると、書かれていたコメントはやはり "Laajuus" であり、ここで言及すべき多くの事柄が欠けていたということだった。

十分な解答ができないのはフィンランド語のハンディのためもあるということを先生は理解していて、高校入学の判定基準となる8年生の歴史の成績を上げたいと本人が思うなら、教科の内容に追加して自主的に、たとえば日本の歴史に関する研究を提出することで考慮することが可能ということも書かれていた。

息子の場合、フィンランドの教科と別にやっている日本の教科の勉強が生かされるということなら特にありがたい。

言葉のハンディに限らず自主的な追加の勉強で評価点を上げてもらうことができるということは、前にも他で聞いたことがある。生徒のやる気を引き出したり得意な分野を伸ばすという点でも、フィンランドらしく柔軟で良いシステムだと思う。

具体的にどうするかは、秋に新学年が始まってからまた話し合うことになっている。


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歴史の試験~読解力の差
先日あった歴史の試験が採点されて返ってきた。

試験範囲はアメリカの開拓時代や中国の植民地化から革命、日本の近代化、ロシア帝国末期、フィンランドのロシア化政策とかなり広い。穴埋め問題もあったが記述式問題が主で、中でもフィンランドのロシアによる第一次抑圧時代については、予告されていたとおり論述式問題だった。A4用紙の1ページ全部、25行ほどの罫線がある解答欄に、息子は本番で20行ほどの回答を書いた。

200803his-esse.gif

採点は9点中4.5点で、先生のコメントは回答の下に短く、

- Laajuus

と書いてあるようだ。「広さ」という意味だが、もっと内容を広く展開させなさいという意味なのだろうか。息子はよくここまで書いたと私は思うし、フィンランド語の補助授業の先生に聞いても何が足りないのかよく分からないということだった。

歴史の先生本人に聞いてみればいいのだが、この先生は先日奥さんが出産したため育児休暇中で、不在なのである。

ここは教科書で3ページほどの章で、息子は試験前に教科書の内容をもとに作文して備えていた。その下書きもかなり長かった。あまり長いと憶えきれなくて本番でうまく書けないかもしれないから、重要な点を中心に短くしてはと言ったのだが、息子が言うにはたとえ内容が同じであっても長いほどよく、裏面にまでわたって解答を書く生徒も珍しくないのだそうだ。フィンランドで職業訓練の学校に通ったりして作文の課題をやってきている妻も同意見だった。

このようにフィンランドの試験では長く回答を書くことが多い。日本では学校で「要点をまとめる」とか「箇条書きにする」とか「一目で内容が分かるように書く」といったことをよくさせられたと思う。短くてエッセンスの詰まった表現がよい文章という傾向がある。こちらでは箇条書きは、もちろんあるけれども文章の中に内容を埋め込むことの方が主流に思える。

理科の教科書の比較のときも書いたが、フィンランドでは一目で分かることより文章がきちっとしていることが重要視されることが多いと感じる。そのためかビジュアルより文章での表現の比重が大きいと思う。フィンランドの子供の読解力が高いのはそういった文章を読み、そして書く練習が自然と多くなるからではないか。こういう状況の中では表現も文章表現が中心となり、すると読み手としては読解力が必要、という循環ができあがっているのではないかという気がする。

日本は逆で、要点の詰まった、見やすい、短い文で表現する訓練を詰むことで読解力がそれほどなくても内容が分かるような表現ができるようになり、そのぶん読解力の必要性は少なくなる。そうするとより内容を分かりやすくしなければならないという逆の循環になる。

まあ実際はそれほど極端ではないけれど、やはりこういった差はあるような気がする。

最近日本で「読解力が低下」と心配されているが、表現や伝達のスタイルがこのように異なるなら、読解力だけを取り上げて低い低いと心配しなくてもいいのかもしれないと思う。日本人はなにしろ「何々が他の国より劣る」ということにすごく過敏で、読解力が他国より劣っているとなると「読解力を上げなくては」という論調になりやすいのだけれども。


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続・数学の記号
数学の記号の日本との違いについては以前書いたが、息子の教科書を見ていたらまた見なれない記号があった。

200803merkki.gif


この中の || という記号だ。プログラミング言語で使う OR演算子では、もちろんない。

問題文を読んだら分かったが、これは数式に含まれる演算ではなく、「両辺に~という演算をする」という数式の操作を表す記号なのだ。

  x - 12 = 13 || + 12

の場合、「両辺に 12 をたす」という意味になる。よって結果は、

  x = 25

ということになる。

プラスマイナスだけでなく、両辺を 2 で割るなら「||:2」 だし、両辺に x+1 をかけるなら「||・(x+1)」と書く。「両辺に何々する」と言葉で書くより便利かもしれない。

ただ、これがどの国で使われているのかちょっと気になる。日本では使わないと思うが、フィンランドで使うのだからたぶんヨーロッパのほかの国でも使うのではないだろうか。

で、検索しようとしたのだが、「||」だと punctuation mark 扱いなのか、検索できないし他の語句に加えても検索結果が変わらないのだ。

こういう文字列を検索する方法はありましたっけ?


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楽器の演奏のテスト

200803keyboard.jpg


スキー休み後半も相変わらずアウトドア向けの天気ではなかったためか、息子はおもちゃのキーボードに凝っていた。

息子は特に楽器は弾けないのだが、休み明けに音楽の授業で「何か楽器を演奏する」というテストがあるそうなのだ。楽器は限られていてリコーダーは入っていない。妻のギターを弾くことも考えたが、ギターは付け焼刃ではちょっとできるようにならない。

で、うちにあったおもちゃのキーボードをいじり始めたのだが、やってみると面白いらしくはまってしまった。といっても高度なものでなく、日本の音楽の教科書に出ていた、ホルストの「木星」のサビの部分の主旋律を片手で弾くだけなのだが。音符と鍵盤の関係がやっと分かってきたらしい。

以前も書いたが、中学校では選択科目を別にすれば音楽の時間は7年生の間しかなく、それも週にたった1時間。しかも授業の様子を聞けば教科書は使わず、歌をうたったとかCDを聴いたとか好きな楽器を好きに弾いたとか、音楽の基礎を習得させるような内容がまるでないのである。まあフィンランドのことだから先生による違いも大きいかもしれないが、小学校から中学校にかけて何校かで大差なかった。

こんなだから、こちらでの音楽の成績は良い方だったにもかかわらず、夏休みに体験入学した日本の学校での音楽の試験は惨憺たるものだった。楽譜の読み方の基礎が全くできていなかったのである。

しかし、フィンランド人の音楽への関心はむしろ高い。アマチュアグループも結構あるし、合唱のレベルも高いと言われている。学校で習わないとすれば家庭や稽古事などでそれぞれ習うのかもしれないが、このギャップはちょっと不思議だ。


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選択科目説明会
2月3日に書いた、選択科目についての説明会に行ってきた。

平日の夕方、集まった保護者は生徒数の半分くらいだっただろうか。もう選択科目を決めている場合や上の子がいて選択科目についてよく知っている場合は、特に聞きに行く必要はないのである。

校長先生の最初の一言は、「どの科目を選択するかによって、どの方面についても進学の道が閉ざされたり開けたりすることはありません」というものだった。たとえばスポーツ高校志望でも選択科目に体育を取るのが必須ではないということだ。とはいっても、高校進学には入学試験がなく中学の成績で合否が決まる(参考:2006年12月26日の記事)ので、どの科目を選択しでどういう成績が取れるかは進学に影響してくる。保護者からの質問も選択科目の成績と進学の関係を心配するものが多かった。

具体的には、外国語を新しく1科目取ると、その科目でよい成績を修めるためにはかなり勉強しなければならず、成績がよくなければ平均評価点が下がってしまう可能性もある。ただし、そういうことで不利にならないように成績を付けるということについても説明があり、計算式なども示されたが詳細はとても憶えられなかった。

選択科目だから好みの教科を取ればいいとか、音楽は中学を通して7年生での1時限しかないから選択で取らせてやろうとかも思ってもいたのだが、進学での合否にかかわるとなるとそうもいっていられなくなってくる。音楽を取るのは楽器の稽古事などをしている、音楽の得意な生徒が多いだろうから。

中学での選択科目戦略、思ったよりはシビアなようだ。


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選択科目の希望調査
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8年生から始まる選択科目に関する冊子を、息子が学校からもらってきた。8年生開始までまだ半年あるのに、もう希望科目を提出するのだ。

選択科目は「長い」、つまり8~9学年を通して1週間あたり2時間のものが3科目、「短い」1週間あたり0.5時間のものが各学年1科目である。1週間の授業30時間のうち6.5時間、つまり1日以上が選択科目の勉強をすることになり、これはかなりの割合だと思う。現在日本で選択科目がどのくらいあるか知らないが、私が中学生だったころは1つもなかった。

選択可能な科目のリストをみると、語学ではフランス語、ドイツ語、ロシア語、技術系では金属機械、電気電子、木工、被服、タイピング、そして情報関係が3科目ある。他に経済学、家庭科、美術、音楽、数学、体育など全部で19科目ある。

必修にある科目も入っているが、内容が多少違うらしい。

「短い」科目はさらにバラエティに富んでいて、写真、アニメーション、パン・ケーキ、バンド演奏、起業とマーケティング、ダンス(女子)、英会話、ポップ音楽とカラオケなんていうのまで、16科目が用意されている。各学年1科目しか取れないのが残念に思える。

冊子に各科目について1ページくらいずつ説明がある他、来週学校で保護者向けの説明会もある。

この中から「長い」科目については第1~3希望を記入し、それが取れない場合の候補として3科目をA~Cで記入する。「短い」科目は1つなので第1希望と次の3候補を記入する。特に「長い」科目は2年間続くから慎重に選ばなくてはならない。

息子は「長い」科目に体育、家庭科、情報科学を、「短い」科目にアニメーションを取りたいようだ。次候補としてはフランス語なんかも入っている。提出期限は今月下旬なのでよく考えて決めなくては。


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理科の教科書を見比べると
以前、歴史の教科書を見比べたことがあったが、今回は理科。中学校での化学も、通信教育の日本の理科もちょうど原子・分子・化学反応に関する分野なのだ。

フィンランドの教科書はこんなふうに、地の文がきっちりとあって図や写真はあくまで添え物的なことが多い。

200712kemia.jpg


一方、日本の教科書では図表とその中の短い文での説明が一体化していることが多い。いってみればビジュアル化が進んでいるのである。

200712rika.jpg


上の例は説明のためにそれぞれ典型的なページを写したのであり、どちらもこういったページばかりというわけではない。しかし全体として大きな差はあると思う。フィンランドの教科書では、内容を知るためにはとにかく文章を読まなければならない。フィンランド語が第二言語である息子にはまだ少し大変である。

PISA(OECDの学習到達度調査)でフィンランドの生徒の読解力は第2位となったが、このように理科の教科書でも文章をこつこつと読まなければならないことも、読解力を育むのに役立っているのかもしれない。

とはいえ教科書としてそういう方式がいいとは一概に言えない。文章を読みぬく力がなくて教科の内容も理解できないよりは、ビジュアルな教科書で内容が分かって身に付く方がいいだろう。

ところでこういった文章主体の説明は、教科書に限らないような気がする。ネットで宿泊施設とかのWebページを見ると、フィンランドのは行き方を文章で説明していることが多く、地図のリンクがあっても地図サイトを使っているだけだったり簡単すぎたり、とにかくおざなりな感じがする。レストランのメニューでもそう。それに対し日本の場合は図や写真や絵が駆使されている。

ビジネスの世界のプレゼンはすでにビジュアル化が進んでいるのだから、ビジュアルで理解しビジュアルで発信する能力の方が、将来役に立つかもしれない。読解力をつけるのはもちろんいいことだが。


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技術の時間に電気溶接
200710tek.jpg

息子が技術の時間に作ったといって燭台とCDラックを持ち帰ってきた。

昨年12月11日には木工の作品を紹介したが、今度は金属加工である。CDラックは水平に置くものだが、写真では黒い部分が見えにくいので立ててみた。

金属の接合ははんだかなと思って聞いてみると溶接だという。中学の技術で生徒に溶接なんてさせるのだろうかと思ったが、金属を溶かすとき強い光が出てマスクを通して見たそうで、電気溶接らしい。ちょっと驚いた。溶接なんて、私は学校どころか大人になってからもやったことがない。

息子は金属の表面を白く塗ったが他の生徒はほとんどが黒だったそうだ。なぜ白にしたのかと聞いたら、「その方がうちの部屋に合うと思ったから」。なるほど。

日が短くなるにしたがいろうそくを灯すのが楽しみになる季節だ。さてどこに掛けて使うことにしようか。


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親族名称と離婚事情
息子のスウェーデン語は、親族名称を主に習う課に入っている。

父方の祖父が farfar(父+父)、祖母が farmor(父+母)、母方の祖父が morfar、祖母が mormor とスウェーデン語は論理的な呼び方だ。叔父や叔母まで同様に(父+兄弟、等々)とはなかなか便利だ。

さて、教科書では「継父」という言葉も出てくる。夫婦の写真があって、

    Här är min mamma Camilla och styvpappa Peter.

    「これは僕の母カミラと継父のペーター。」

中年男性の写真について、

    Det här är min egen pappa Robert.

    「これは僕の本当の父のロバート。」

といった具合だ。スウェーデン語を習い始めて1か月ですでに「継父」という言葉が出てくるとは驚きだが、約半数が離婚し、再婚も多いフィンランドでは自然で実用的な単語なのかもしれない。実際、息子の友人でも両親が離婚している子はとても多い。そしてその片親と、新しい相手が同棲している場合も多いのである。

英語の教科書にはそういう状況が描かれている。

これは Sam という子が自分の愛犬の Jacky について語るところなのだが、

... But now I have a problem. My mum's new boyfriend is allergic to dogs. And I think Jacky may be allergic to him, too. But our pet is part of our family. So if anyone goes, it's the boyfriend and not our Jacky.

と、ユーモアを交えて(たぶん)、紹介している。


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調理実習のスープ
息子は金曜日の家庭科の時間でソーセージスープ(Nakkikeitto)を作ったそうだ。ソーセージスープはフィンランドではとてもポピュラーな料理で、それほど凝ったものではないが、作り方を知っていると便利かもしれない。

どんなスープかイメージがつかめない場合はこちらへ。

ソーセージのほか野菜はじゃがいも、人参、ポロねぎ、スウェーデンかぶなど。他の生徒があまり食べたがらないので息子はおかわりしたそうだ。息子にも他の生徒にもスウェーデンかぶが不評らしい。私も、日本のかぶならいいがスウェーデンかぶがスープに角切りで入っているのは苦手だ。

ところで息子が家庭科の先生に聞いたところでは、調理実習の1回の費用は50センティ(約80円)で、ただし毎回同じでなくて余剰分を次回以降に持ち越してもいいそうだ。前回は紅茶と簡単なお茶菓子だったので、今回は少し多かったのかもしれない。

息子に「日本の調理実習は1回いくら?」と聞かれたが、それはとても答えられない。いくらぐらいかかるのだろう。それに、費用は生徒の家庭の負担なのだろうか? フィンランドでは、以前書いた工作もそうだが費用はかからない。

給食費も払わなくていいのだが、そういえば給食は1回あたり50センティと聞いたか新聞で読んで、安さに驚いたことがある。フィンランドは食品の基本的な素材は安いが、それほどとは思わなかった。まあ自治体によっても違うだろう。それに、給食の内容は日本より質素だし、昨年12月2日の記事に書いたように、途中で足りなくなることさえある。


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スウェーデン語入門
時間割を見てみるとスウェーデン語が週4時間もある。しかしこのペースが1年続くわけではなく、年間で週当たり1.75のはずだから、他の期間には別の教科が替わりにあるのだろう。

さっそく始まったスウェーデン語の教科書、といっても現在使っているのはワークブックだが、をちょっと見てみる。

スウェーデン語の単語から対応するフィンランド語を当てる練習問題がある。スウェーデン語は印欧語族のゲルマン語派で英語やドイツ語に文法も語彙も近い。フィンランド語は全く違うウラル語族に属するのだが、スウェーデン語からの借用語が多いので勘を働かせると見当がつくこともある。

たとえばスウェーデン語で en gata(通り)はフィンランド語で katu、スウェーデン語で en säng(ベッド) はフィンランド語で sänky など。英語から推測できる単語もある。たとえば ett äpple はりんご。

フィンランドの地名のスウェーデン語表記をどの地名か推理する問題もある。フィンランドの地名はフィンランド語とスウェーデン語の2つを持っていることが多い。たとえばフィンランド語の Helsinki はスウェーデン語で Helsingfors だ。こんなふうに音が似ていることもあれば Hämeenlinna / Tavastehus のようにかけ離れたものもある。でも列車に乗ったりすると両方でアナウンスするので、知らず知らずに憶えているものだ。

こういうふうに、あなたはすでにスウェーデン語をこんなに知っているんですよ、と発見させるのがフィンランドでのスウェーデン語入門書の定石のようで、他の入門書でもこの方式を見たことがある。

息子にとって4番目の言語となるスウェーデン語だが、今のところは結構興味を持っているようだ。


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宗教の授業のテスト
3月24日に書いた、1人で受けた宗教の授業のテストがあったそうで、息子が採点された答案を持ち帰ってきた。

1人で授業といっても、教室内では5人ほどの生徒がそれぞれの教科を補習として受けていて、宗教の補習になっているのが息子1人という状況であり、息子が言うにはやはりうるさくて落ち着かないのだそうだ。

ともかくひとつの期間が終わったのでテストとなったが、本来のクラスと内容も進度も違うので、補習担当の先生が息子1人のために作ってくれた問題のテストを受けたわけだ。

採点された答案を見ると、通常のテストよりは穴埋めが多く、記述式の設問はそれほど多くない。やはり手加減されているのかもしれない。問題はたとえば、

・イスラム教
ムスリムは日に     回礼拝する。礼拝では     に向かって伏し拝む。ムスリムの神は     という名である。ムスリムは一生に一度は     を行うよう努力する。


通常の授業を受けた場合のテスト用紙ももらってきたのだが、こちらはほとんどが記述式問題で、特にそのうち1つは解答欄としてが1ページ分の罫線が引いてある。その問題は、

・ルーテル派教会の初期段階について次の語を使って述べなさい。カトリック教会、免罪、95か条、ヴィッテンベルク、法王、破門、教理問答(?)

最後の単語は Vähä katekismus というのだが、聞いたことのない単語だし私は意味も分からない。

私は宗教や歴史は不得意分野だし、フィンランド語の単語が難しくて(辞書に出ていない単語が多いのである)ほとんど助けられない。息子本人にがんばってもらうしかない。


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授業中一人で自習とは…
3月17日に書いたように今週から補習授業が始まった。このクラスに出席しているのは6年生2人、5年生3人でほとんどが外国人児童。世界史とフィンランド語を当面の間学習する。今年は5年生も世界史を学習しているために同じクラスなのだそうだ。

今週は補習が予定どおり3時間で、残りの2時間を本来のクラスで学習した。うち1時間は別なことに使われたようだが、本来のクラスで受ける宗教の授業1時間のあいだ、息子は一人で教科書を読んでいたという。

というのは、本来の授業は3時間分先に進んでいるので、息子だけその単元の最初の方から教科書を読まなければならなくなったのだ。

しかたがないことかもしれないが、同じ教室で授業をしている中でただ一人、教科書の別なところを黙々と読むのはかなりな疎外感があるのではないだろうか。息子自身はそれほど気にしなかったと言っていたが。そのくらいなら静かな場所で自習の方がましなのではと私などには思えてしまう。

補習クラスの他の生徒はどうなのかと聞くと、彼らはみな非キリスト教徒で「宗教」の授業は元々受けないので、息子と同様の授業の受け方をする子はいないのだという。そう言われてみれば外国人生徒でフィンランド人とともに宗教の授業を受けるのは珍しいのだった。

まだ始まったばかりなのでしばらく様子を見ようと思うが、授業に出席していて実質は自習という状況はどうかと思う。待ち望んだ補習授業が始まったら始まったでこんな問題が起こってくるとは。


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補習授業が始まることに
1月18日に書いた三者面談で約束されていた補習授業がなかなか始まらないので、学校にメールを出した。

学校のホームページにあった校長先生のアドレス宛で、本来の担任のS先生と現担任のK先生に転送してくださいと書いておいた。

そうしたら2日して返信があり、来週から3時間の補習授業をしますということが書いてあった。

実はかなり驚いた。これこれこういう理由でできません、あるいは今計画しています、といった否定的な返事に違いないと思っていたからだ。今までの経験で。

そのため、メールで問い合わせするのもずいぶん躊躇した。どうせ無駄だろうと思っていたから。

今回実現したのは問い合わせが功を奏したのか、元々計画されていたのか、真相は判らない。が、ともかく期間授業(⇒9月13日の記事)の週5時間が来週から宗教になるのに伴い、そのうち3時間を使って、Rという名の別な先生が歴史とフィンランド語の補習授業を小グループ(おそらく外国人児童のみ)ですることになったのだそうだ。

そうすると宗教の授業の内容が穴だらけになって内容がつながらなくなるのではないか、テストはどうなるのか、など気がかりではあるが、ともかく希望していたことがやっと実現することになった。

というわけで来週からの時間割はこうなる。

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うまくいくといいのだが…。


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英語一辺倒への危惧
フィンランドの小中学校では履修する外国語が選択できるのだが、YLE放送Aamulehti紙の報道によれば近年、選択される外国語が英語にかたよりすぎていると憂慮されている。

小学校3年生までに始める第一外国語では90%が英語を選択し、4年生または5年生で始める任意の第二外国語を履修する生徒は98年の37%から28%に下落、8年生(中学2年に対応)で始める第三外国語も履修者が30%から14%まで下がっているというのだ。

この他に、7年生(中学1年に対応)で始める第二母国語(フィンランド語児童の場合スウェーデン語、またその逆)がある。つまりフィンランドの義務教育では最低2つ、選択によっては4つの外国語を履修することができる。

ここでは適当な用語がないので外国語と書いたが、本来は Vieraskieli、つまり母語である第一言語以外の言語のことだ。小中学校で2つの外国語だけでも大変なことではないかと思うが、外国語のできる人材を育てるという姿勢はこの国ではとても強い。フィンランドは小さい国で、フィンランド語は日本語同様ほとんど国外で通じないため国民は外国語(特にヨーロッパ言語)の習得に力を入れてきたし、実際得意な人が多い。

問題になっている英語一辺倒の傾向は、世界的に英語の通用度が上がりビジネスでもまずは英語という状況になってきていることもあるだろう。だが、フィンランド政府はむしろ多くの言語ができる人材育成を考え、第二外国語の履修学年を引き下げたり授業時間を増やすようにしてきた。

ところが増えた授業時間を吸収するため4年生から第二外国語を始める学校が増え、そうすると3年生で第一外国語始めた翌年に第ニ外国語ということになり(第一外国語はずっと続く)、児童にも負担が大きすぎたのだ。こうして英語以外を選択する児童が減ると、クラスが成立する人数に満たなくなり、他の小学校へ行って授業を受けるなど不便になる悪循環で、さらに履修者が減っていったらしい。

息子の第二言語の選択もちょうど移行期のころで、ドイツ語は校内でクラスがあったがフランス語を選択したければその授業だけ近くの別の学校に行かなければならないことになっていた。息子はすでに日本語とフィンランド語と英語で大変だったので、第二外国語を履修することは考えなかったのだけれど。

今、ちょうど来年度の語学履修希望を提出する時期で、任意の外国語を履修しようとする児童の家庭はこういった状況で悩んでいるらしい。

息子の場合は選択で悩むことはないにしても、来年度から否応なしに「第二母国語」であるスウェーデン語が始まるので、これもわれわれにとっては悩みである。


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地理で日本の勉強
「自然科」では環太平洋地域の地理の勉強をしており、オセアニアからヒマラヤ、中国についで日本も教科書に解説されていた。

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教科書の日本についての解説がある部分

日本についての記述は8行ほどで、アジアの東端にあること、「日本」の名は“中国語で”日の昇る国を意味すること、国土は大半が居住に不適な山岳地帯であるため沿岸地域に高い人口密度で住んでいること、日本は重要な工業国のひとつで天然資源やエネルギーは輸入に頼らねばならないが、高い教育と効率のよいチームワークによる生産技術で成功していること、などが書かれている。

授業の時、息子は日本はどんなところかといった質問を受け、答えたそうだ。息子が言ったのは「学校での勉強時間が長い」ことだそうで、たしかにフィンランドの学校と比べると率直な感想だろうと思う。


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デカメートル?デシメートル?
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息子の算数の教科書(6年生)


長さの単位の学習なのだが、metri(メートル)を中心としてキロメートル km、ヘクトメートル hm、デカメートル dam、メートル m、デシメートル dm、センチメートル cm、ミリメートル mm が表で表され、それぞれの単位の変換を習う。

しかしヘクトメートル、デカメートル、デシメートルって…?

太字で表されているキロメートル、メートル、センチメートル、ミリメートルはフィンランドでも日本でもよく使うが、それ以外はまず絶対使わない。

補助単位として100倍のヘクト、10倍のデカ、10分の1のデシをメートルと組み合わせて理解するのはいいにしても、変換の練習までしたって何の役にもたたないだろう。そう思った。

しかし後になって面積で平方キロメートル、平方ヘクトメートル…、さらに体積でも立法メートルから立法デシメートル、立法センチメートル…という単位が紹介されてやっと気づいた。

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この方式だと、長さで1桁違うときに面積で2桁、体積で3桁ずつ変わっていくことがひと目で分かるのだ。

平方メートルと平方キロメートル、立法メートルと立法センチメートルといった単位の変換は大人でも間違いやすいし、こういった次元と桁の関係をよく理解していなくて、「1平方キロメートルは1000平方メートル」と計算してしまう人さえいる。

「長さの倍数は面積では2乗、体積では3乗になる」と抽象的に教えられるよりは、実用でない補助単位を使っても1桁ごとの違いを実感する方が分かりやすいのかもしれない。日本の小学校の算数では、この単位変換は今どのように教えられているのだろうか。

ここからは余談だが、実は私はこの単位の変換について忘れられない小学校のときの出来事がある。


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意外だった歴史のテスト
学校は23日で秋学期が終わり、2週間のクリスマス休みに入った。

最終日には今までのテストがまとめて返された。特に先週は数学、歴史、物理化学、英語と4つもテストがあったのだ。

中でも意外だったのが歴史のテスト。範囲は古代ギリシャで、歴史の教科書の細かい文章が(⇒10月3日の記事)、図版も多いとはいうものの55ページもあったので、半ば途方にくれていたのだ。

が、今回はなんと40問全てが3択式だった。

11月8日の歴史のテストという記事で、フィンランドではほとんどが記述式のテストだと書いたように、3択があることさえ珍しいので、テストがあった日に息子も驚いていてそう言ったのだが、私も今回答案用紙が返ってきて初めて見た。

200612koe.jpg


中からいくつかの問題をランダムに書き出してみる。

トロイ戦争の長さは
a) 60年
b) 43年
c) 10年

オデュッセウスとは
a) 王
b) 奴隷
c) 哲学者

ミノス人が好んだのは
a) 戦争
b) 平和
c) 金(きん)

ギリシャ人を一つにまとめていたのは
a) 言語
b) 宝物
c) 馬術

コリント式の柱は
a) 粗削り
b) 短く太い
c) 装飾的

保存された陶器製のうつわが歴史学者にとって重要なのは
a) 描かれた絵が当時の生活を物語るから
b) 美しいものだから
c) 食物が残っているかもしれないから

アレクサンダー大王の馬の名前は
a) フィリッポス
b) ブケファロス
c) プルタルコス

テストの日、「アレクサンダー大王の馬の名前を聞く問題が出たよ」と息子が言ったので、確かに教科書には書いてあったけどそんなことまで?と思ったのだが、こうやって問題を見てみると、馬の名前を聞くというより「フィリッポス」や「ブルタルコス」が人物名だということを憶えているかという問題なのだろうと思う。


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「宗教」の授業
自然科、歴史、宗教の3科目を代わる代わる行う「期限授業」(教科については⇒9月13日の記事)は、古代ギリシャの歴史を終わって宗教の番になった。今年度になってから、宗教は初めてである。

フィンランドの国教はキリスト教(ルーテル派)なので、小中学校でもキリスト教を教えている。ただし、非キリスト教生徒はこの授業の代わりに道徳の授業を受けることもできる。うちはキリスト教ではないのでどちらでもよかったのだが、なるべくフィンランド人の子供たちと一緒に学び、同じ素養を身につけられる方がいいのではと思い、宗教を選んでいる。

昨年の宗教の時間は「マタイによる福音書」の内容が主で、イエスの出現から死までの軌跡を追う中で道徳的・倫理的な内容も盛り込まれていた。

他の教科と同様、家で息子に学校で習った部分の教科書を読ませて復習したのであるが、最初はものすごく大変だった。というのも知らないフィンランド語の単語が続出し、「乳香」とか「没薬」とか普段使わない言葉も多いし、辞書にいくつもの意味が書いてあればそのどれが該当するのか分からない。また単語がすべて解っても、「塩がその味をなくしたら、それはどこからその味を得るのか」など、本当にこういう意味のことが書いてあるのかと首をかしげることもしばしば。労ばかり多くて復習した気にもなれず、虚しかった。

が、あるとき気づいたのは日本語の新約聖書を対照して見ることだった。うまいことに聖書は節ごと、文ごとに番号が付いていて対照が簡単だし、そもそも教科書の各章に参照節番号が付いているではないか。そして日本語の聖書といえば、息子が日本で通っていたキリスト教系幼稚園で卒園記念にもらった子供向けのものがある!

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宗教の教科書(右)と卒園記念の聖書

というわけで、日本語の聖書を対照させて読むことで、だいぶ復習は楽になったのであったが、卒園記念の聖書をこれほど読んでいる家もないよね、などと笑ったものだ。幼稚園のクラスにはキリスト教徒はほとんどいなかったから。

さて今年はというと、去年と同じ教科書を使い、内容としては「使徒行伝」に移った。使徒行伝の後にはキリスト教史や他の宗教の紹介もあるようだ。授業でどの程度扱うか知らないけれど。

非キリスト教徒の私でも福音書のあらすじくらいはまあ知っていたが、「使徒行伝」はなじみがない。ちょっと読んでみたが、どうもストーリーがうまくつかめない。これで息子の復習を手助けできるのか。

ところが本人は割と楽観的で、宗教は教科としては得意な方だという。理由は「分かりやすいから」なのだそうだ。


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技術の時間の作品
息子が技術の時間に作った作品を持ち帰ってきた。

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何かお分かりだろうか。

これは暖炉やサウナで使うマキを運ぶ道具なのである。フィンランドらしいものを作ってくれるものだと思う。白木の表面をバーナーで焦がしてから塗装してある。さっそく暖炉のマキを運ぶのに使うことにしよう。

これの前は木のお盆、その前はキッチンペーパーホルダーだったか。家庭内で実用になる品物を作ってくれるので、なかなか便利だ。

技術の時間はこのように木工などを中心とするか、手芸・裁縫などを中心とするかを学年の初めに選択でき、この2つのグループに分かれて授業する。性別と関係なく選択できるようになっているのだが、実際には息子のクラスでもきれいに男女に分かれているという。

息子は実は手芸系も得意で(これについてはまた書くことがあると思う)、両方の授業を受けられたならそうしたと思うが、ともかく現在の技術の授業でいろんな作品を作る作業は気に入っているようだ。


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人種に対する考え方
フィンランドの教科書や子供向けの絵本を見ると気づくのが、挿絵や写真で出てくる人物が多様な人種だということだ。本来のフィンランド人は多くが金髪碧眼長身の典型的な白人で、古くからフィンランド社会に根付いているロマ人(ジプシー)という小数民族もいるけれども、他人種の人口はヨーロッパの中部の国に比べると非常に少ない。移民も増加しているとはいえ少ないので、田舎で外国人を見る機会はそう多くないのだが、子供向けの本にはその比率にそぐわないほどの多様な人種が出てくる。

これは子供たちが他人種になじみやすくするための配慮か、もしかしたら何か公的な決まりでもあるのかもしれない。

それが奏功したのかどうか分からないが、フィンランドは人種差別がほとんどないように感じる。もちろん皆無というわけではないが、人種が違うことや外国人だからということで不快な目に遭うことはまずない。少なくとも、人種差別は人道に反することだという考えはよく根付いていると思う。

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英語の教科書の表紙

息子の英語の教科書ももちろん多様な人種の登場人物がいて、さらにその名前がそれぞれの言語に基づいている。ちょっと見ただけでも Abdul Khair, Boyd Ansems, Rochelle Vivinenne Plet, Yan-YanChoi, Svetlana Borisova Militsyna など、どう発音したらよいのか分からない名前も多いし、英語的に読むのが正しいのか原語に基づいた発音にすべきかも判らない。英語的な名前はわずかしかなく、フィンランド人の登場人物も見つからない。

国際的に使われる言語としての英語という見方なのかもしれないが、実際問題として音読するときに困る。名前の発音など気にしなくていいのかもしれないが、それにしても読みにくいではないか。日本の英語の教科書は日本人の登場人物以外には英語名だけ、それも辞書に出ているような一般的な名前ばかりだったと思うが、今は日本も違うのだろうか。



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「自然科」でアフリカと中東の勉強
期限授業はいま自然科学の番で、アフリカと中東がテーマだ。

期限授業については9月13日の記事に簡単に説明したが、順に行う3つの科目のうち1つを「自然科学」と書いたのはあまり正確ではなかったかもしれない。元々のフィンランド語では この科目の呼び方は luonnontieto つまり luonto(自然)と tieto(知識、情報)の合成語であり、一般の「自然科学」には別に luonnontiede という語がある。「自然学」か科目としては「自然科」くらいがよかっただろうか。

「自然科」が一般にいう自然科学とどう違うかというと、地学、生物学、地理を組み合わせたような内容なのだ。日本でいう理科のうち物理学、化学の分野については「物理化学」という別の科目で学んでいる。

具体的にアフリカについての章だと、次のような内容になる。

まず地球の公転と自転の傾きから赤道、南回帰線、北回帰線と季節による太陽高度の変化を学ぶ。日射のため赤道付近は水分の蒸発が多く雨がよく降り、気圧が低くなる一方、回帰線付近は乾いて高気圧となり、気圧の差で赤道に向かう風が起こる(貿易風)。アフリカの熱帯雨林とサバンナがこのような理由からできてくることを学び、それぞれでの植生や動物の分布、人々の生活などへと移っていく。鉱物資源に関する節でのエネルギー再生可能性についてなど、理科的な内容にもときどき戻る。付随して地球上の4つの気候区分やその分布、海流にも触れる。

地学、生物学、地理が一緒というと不思議な感じだが、こんなふうに結びついている。

去年、5年生のときの自然科は地理の内容が多かった。内容としてはヨーロッパの国々で、ヨーロッパは国の数が多いからそれだけでもかなりの分量だったが、今年はヨーロッパの外に踏み出したというわけだ。

それにしても、私などはヨーロッパならまだしもアフリカについてはほとんど知識がない。日本の学校でいつ習ったか思い出せないくらいで、正直言ってあまり興味もなかった。だから「教える」などとはとてもいえず、教科書を見ながら息子と一緒に学ぶのがせいぜいだ。


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Sommoro

Author:Sommoro
フィンランドに通算十数年住んでいます。家族は妻、高校生の息子、そして大型犬。

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『欲ばり過ぎるニッポンの教育』
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